○七飯町議会基本条例

平成26年3月17日

条例第10号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会・議員の活動原則(第3条―第4条)

第3章 町民と議会の関係(第5条)

第4章 町長と議会の関係(第6条―第9条)

第5章 自由討議の拡大(第10条)

第6章 議会改革の推進(第11条・第12条)

第7章 議会・議会事務局の体制整備(第13条―第18条)

第8章 議員の身分・待遇、政治倫理(第19条―第21条)

第9章 最高規範性及び見直し手続き(第22条・第23条)

附則

大沼国定公園や横津連山をはじめとする美しい自然環境と近代農業発祥などの歴史を有する七飯町は、多くの先人の英知と努力によって大きな発展を遂げてきた。

近年、人口減少や少子高齢化の進行など社会経済情勢が大きく変化し、多くの課題が山積している中、先人が築き上げてきた七飯町の更なる発展を図り、未来へと継承していく上で、議事機関である七飯町議会の果たす役割はますます重要になっている。

七飯町議会は、地方自治の本旨に基づき、七飯町議会の公正性及び透明性を確保するため、町民に対する情報公開を積極的に行い、七飯町議会への町民参加の推進を図ることにより、七飯町議会の活性化に努めるものとする。

また、議員は、議員間及び行政機関との積極的な討議など、議員自らの資質の向上に努め、町民との積極的な対話を通じ町民意思を町政へ反映するよう努めるものとする。

こうした考えに基づき、七飯町議会の基本となる理念や原則を明らかにし、七飯町議会の活動を支える様々な体制の整備を図るとともに、七飯町議会及び議員が町民一人ひとりの意思を町政に反映させるための活動をすることにより、町民に信頼される七飯町議会となることを目指し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、七飯町議会(以下「議会」という。)の運営に関し、町民主権及び基本的な原則を定めるとともに、七飯町議会議員(以下「議員」という。)の職務や責務等を明らかにすることによって、地方分権の進展に対応した主体的な議会運営を確立し、もって七飯町民(以下「町民」という。)の信託に応え、町民生活の向上及び七飯町の持続的で豊かなまちづくりの実現に寄与することを目的とする。

(議会及び議員の責務)

第2条 議会及び議員は、七飯町まちづくり基本条例第20条及び第21条に定める規定のほか、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。

第2章 議会・議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議会は、町民主権を基礎とする町民の代表機関であることを常に自覚し、公平性、透明性、信頼性を重んじた町民に開かれた議会及び町民参加を不断に推進する議会を目指して活動すること。

(2) 議会は、町民を代表する議決機関として、町長等執行機関の町政運営に対する評価、監視機関としての役割を果たすとともに、政策立案、政策提言機能の充実強化を図ること。

(3) 議会は、議会が、議員、町長、町民等の交流と自由な討論の広場であるとの認識に立って、その実現のために、この条例に規定するもののほか、この条例を踏まえて別に定める七飯町議会会議規則(昭和62年規則第8号)の内容を継続的に見直すこと。

(4) 議長は、別に定める七飯町議会傍聴規則(平成13年規則第1号)に定める町民の傍聴に関し、傍聴者の求めに応じて議案の審議に用いる資料等を提供するなど、町民の傍聴の意欲を高める議会運営に努めること。

(5) 議会は、会議を定刻に開催するものとし、会議を休憩する場合には、その理由及び再開の時刻を傍聴者に説明するように努めること。

(6) 議会は、本会議閉会後、速やかに、当該本会議の運営に係る課題の整理と対策を検討し、必要な措置を講じること。

(議長及び副議長の志願者の所信表明)

第3条の2 議会は、議長及び副議長の選挙に当たり、本会議においてそれぞれの職を志願する者に対して所信を表明する機会を設けるものとする。

2 前項の規定による所信を表明する機会の実施に関し必要な事項は、別に定める。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議員は、議会の構成員として、一部の団体及び地域の代表にとどまらず、町民全体の福祉の増進を目指して活動すること。

(2) 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじること。

(3) 議員は、町政の課題全般について、課題別及び地域別等の町民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんによって、町民の信託に応える活動をすること。

第3章 町民と議会の関係

(町民参加及び町民との連携)

第5条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会を原則公開するとともに、議会主催の一般会議を設置するなど、会期中又は閉会中を問わず、町民が議会の活動に参加できるような措置を講じるものとする。

3 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会等(以下「委員会」という。)の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるものとする。

4 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置付けるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会を設けなければならない。

5 議会は、町民、町民団体等との意見交換の場を多様に設けて、町民から議会運営等に関する要望、提言その他の意見を聴取し、議会運営に反映させるとともに、議会及び議員の政策能力を強化及び政策提案の拡大を図るものとする。

6 議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。

第4章 町長と議会の関係

(町長等と議会及び議員の関係)

第6条 議会の本会議における議員と町長及び執行機関の職員(以下「町長等」という。)との一般質問の質疑応答は、広く町政上の論点、争点を明確にするため、一問一答の方式で行うものとする。

2 議会の本会議及び委員会における議員と町長等との議案審議の質疑応答は、議論の論点、争点を明確にして行わなければならない。

3 議長から本会議及び委員会への出席を要請された町長等は、議員の質問に対して議長又は委員長の許可を得て反問することができる。

(町長による政策等の形成過程の説明)

第7条 町長は、議会に計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、政策等の水準を高めるため、次の各号に掲げる政策等の決定過程を説明するよう努めなければならない。

(1) 政策等提案の根拠

(2) 提案に至るまでに検討した他の政策等の内容

(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討

(4) 町民参加の有無及びその内容

(5) 総合計画との整合性及び総合計画における位置付け

(6) 関係法令及び条例等

(7) 政策等の実施にかかわる財源措置

(8) 将来にわたる政策等のコスト計算

2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、それらの政策等の水準を高める観点から、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算・決算における政策説明資料の作成)

第8条 町長は、予算案及び決算を議会に提出し、議会の審議に付すに当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の政策説明資料を作成するよう努めるものとする。

(議決権の拡充)

第9条 議会は、議会の監視機能上の必要性と町長の政策執行上の必要性を比較衡量の上、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づき、議会の議決すべき事件を次のとおり定めるものとする。

(1) 七飯町総合計画の策定又は見直し

(2) 町民憲章の制定又は改廃

(3) 各種宣言の制定又は改廃

(4) 姉妹都市等の締結又は改廃

2 議会は、前項に掲げるもののほか、必要があると認めるときは、議決事件として追加することができる。

第5章 自由討議の拡大

(自由討議の拡大)

第10条 議会は、議員による討論の広場であることを十分に認識し、議長は、町長等に対する出席要請を必要最小限にとどめ、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。

2 議会は、本会議又は委員会において、議員提出議案、町長提出議案及び町民提案等に関して審議し、結論を出す場合、議員相互間の自由討議により議論を尽くすとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

3 議員は、前2項による議員相互間の自由討議を拡大するため、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うよう努めなければならない。

第6章 議会改革の推進

(議会改革の推進)

第11条 議会は、その役割と責任を自覚するため、議会運営委員会において常にその活動を検証するとともに、その課題を抽出し、議会改革を継続的に推進するものとする。

2 議会は、必要があると認めるときは、前項の議会運営委員会に学識経験を有する者等の出席を求め、意見を聴くことができる。

(交流及び連携の推進)

第12条 議会は、他の自治体の議会との交流及び連携を推進するため、独自に又は共同して、分権時代にふさわしい議会の在り方についての調査研究等を行うものとする。

第7章 議会・議会事務局の体制整備

(委員会の適切な運営)

第13条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、委員会の専門性と特性を活かし、適切な運営に努めなければならない。

2 委員会は、委員の資質の向上及び政策の充実に資するため、独自に調査研究するよう努めなければならない。

3 委員会は、行政課題に柔軟に対処するため、議員及び町民が自由に情報及び意見を交換する懇談会等を積極的に行うよう努めなければならない。

4 委員会は、審査等に当たっては、資料を積極的に公開しながら、町民に対し分かりやすい議論を行うよう努めなければならない。

5 委員長は、委員会の秩序保持に努め、委員会報告に対する質疑については、責任を持って答弁しなければならない。

(政策会議の設置)

第14条 議会は、町政の課題に関するまちづくりの政策議論のため、必要があると認めるときは、議決により、議員で構成する政策会議を設置することができる。

2 議会は、必要があると認めるときは、前項の政策会議に学識経験を有する者等を構成員として加えることができる。

3 第1項の政策会議に関し必要な事項は、議長が別に定める。

(議会図書室の設置、公開)

第15条 議会は、議会図書室を設置するとともに、これを議員のみならず、町民、町職員の利用に供するものとする。

(議会事務局の体制整備)

第16条 議会は、議会及び議員の政策形成・立案機能を高めるため、議会事務局の調査・法務機能の充実強化を図るものとする。

(議員研修の充実強化)

第17条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、町民各層等との議員研究会を積極的に開催するものとする。

3 議会は、議員研修を通じて、この条例の理念を議員に浸透させるよう努めるものとする。

(議会広報の充実)

第18条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。

第8章 議員の身分・待遇、政治倫理

(議員定数)

第19条 議員定数は、七飯町議会の議員の定数を定める条例(平成14年条例第12号)で定める。

2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。

3 議員定数の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする。

(議員報酬等)

第20条 議員報酬等は、七飯町議会議員の議員報酬等に関する条例(平成12年条例第32号)で定める。

2 議員報酬等の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。

3 議員報酬等の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする。

(議員の政治倫理)

第21条 議員は、町民全体の代表者として、その倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動をしなければならない。

2 議員は、町民全体の代表者として、常に良心に従って公正にその職務を行い、町民から疑惑を招くことのないように、別に定める身分等報告及び町税等納付状況報告を議長に提出しなければならない。

第9章 最高規範性及び見直し手続き

(最高規範性)

第22条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会は、この条例に違反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後、速やかにこの条例の研修を行わなければならない。

(見直し手続き)

第23条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。

2 議会は、前項による検討の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講じるものとする。

3 議会は、この条例を改正する場合には、本会議において、改正の理由及び背景について詳しく説明しなければならない。

この条例は、平成26年4月1日から施行する。

(令和4年3月10日条例第13号)

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。

2 この条例による改正後の七飯町議会基本条例第3条の2の規定は、この条例の施行の日以後初めてその期日を告示される一般選挙後に行われる議長及び副議長の選挙から適用する。

七飯町議会基本条例

平成26年3月17日 条例第10号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第2類 議会・選挙/第1章
沿革情報
平成26年3月17日 条例第10号
令和4年3月10日 条例第13号