魚のすまない精進川(東大沼地区)
なぜ、精進川には魚がいないのか・・・
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むかし、精進川の上流に寺やしきという所があって、そこに年をとったお坊さんがどこからかやってきました。そして、自分でそまつな小屋を建て、いつの間にか暮らすようになりました。初めはあやしんでいた村人たちも、いつしかこのお坊さんを敬うようになりました。
ところがある日、心のひねくれた人がいて、赤いグミの実を塩づけして食べているのお坊さんを見て、「お坊さんのくせに、すじこをたべていた。」と、村中にふれまわりました。村人たちもその言葉を信じてお坊さんをいじめるようになったので、お坊さんは言い訳もせず、どこかへ立ち去っていきました。それからこの川には、魚がまったくすまなくなったといわれています。
「ななえの歴史と伝説」より