○七飯町公害防止条例

昭和49年12月25日

条例第29号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は町民が健康で文化的な生活を確保するうえにおいて公害の防止がきわめて重要であることにかんがみ公害防止の基本的事項、その他、必要な事項を定め、もつて町民が健康と福祉の増進に寄与するとともに良好な生活環境の保全を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「公害」とは事業活動、その他人の活動にともなつて生ずる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動および悪臭によつて人の健康または生活環境にかかる被害が生ずることをいう。

2 この条例において「特定施設」とは、工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設で、ばい煙、粉じん、汚水、廃液、騒音(以下「ばい煙等」という。)を排出し、又は発生する施設であつて七飯町公害防止条例施行規則(昭和50年規則第3号。以下「規則」という。)で定めるものをいう。

3 この条例において「規制基準」とは、事業活動、その他の活動を行う者が遵守すべきばい煙等の発生に係る許容限度で、規則で定めるものをいう。

(町長の責務)

第3条 町長は第1条の目的を達成するためにあらゆる施策を通じて本町の自然的、社会的条件に応じた公害の防止に努めるとともに常に良好な生活環境を保全する責務を有する。

2 町長は公害発生源なるものを常に監視し、その実態を明らかにするとともに公害の防止にあたらなければならない。

3 町長は広域的な公害の防止をはかるため必要に応じ隣接する地方公共団体とともにその施策を講ずるよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者はその事業活動に伴つて生ずる公害を防止するために必要な措置を講ずるとともに、国、道または町が実施する公害防止に関する施策に協力する責務を有する。

2 事業者は、法令、北海道公害防止条例(昭和46年条例第38号。以下「北海道条例」という。)及びこの条例の規定に違反しない場合においても、それを理由として公害防止についての努力を怠つてはならない。

第2章 公害防止に関する施策

(施策の基本)

第5条 町長は公害防止がきわめて重要な問題であることにかんがみ公害の防止に関する施策の策定にあたつては長期の展望にたつた環境保全を基本として町政全般にわたり特に配慮しなければならない。

2 町長は前項の施策の実施にあたつては総合的、かつ計画的に推進するように努めなければならない。

(規制の措置)

第6条 町長は公害を防止するため大気の汚染又は水質の汚濁の原因となる物質の排水等に関する規制、その他公害の防止について必要な規制を講じなければならない。

(公害に係る苦情の処理)

第7条 町長は公害に係る苦情があつたときは、すみやかに実情を調査し、その苦情を適切に処理するよう努めなければならない。

(資金のあつせん等)

第8条 町長は、中・小企業者等が行う公害防止のための施設の設置又は改善について必要な資金のあつせん、又は技術的な助言、その他の援助に努めなければならない。

(公害防止協定等)

第9条 町長は公害防止のため必要と認めるときは工場等の設置者と公害の防止に関する協定等を締結することができる。

2 町長は前項の規定により協定等を締結するときは七飯町公害対策審議会(以下「審議会」という。)の意見を聞かなければならない。

第3章 公害防止に関する規制

(規制基準の設定)

第10条 町長は公害を防止するため法令及び北海道条例で定めるものを除き規則で規制基準を定めるものとする。

2 町長は前項の規定により規制基準を定めるときはあらかじめ審議会の意見をきかなければならない。これを変更し又は廃止しようとするときも同様とする。

(規制基準の遵守義務)

第11条 特定施設を設置している者は当該施設に係る規制基準を遵守しなければならない。

(緩衡地帯等の設置)

第12条 特定施設を設置する者はその周囲に緑地、公園等の緩衡地帯又は塀その他の設備を設ける等により良好な環境の確保に努めなければならない。

(特定施設の設置届出)

第13条 工場又は事業所等で特定施設を設置しようとする者は規則で定めるところにより次の各号に掲げる事項を町長に届け出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所(法人にあつてはその代表者の氏名)

(2) 工場の名称及び所在地

(3) 特定施設の種類及び数

(4) 特定施設の構造及びその使用方法

(5) ばい煙等の処理方法及び防止の方法

(6) 公害発生の原因となり得るものの処理方法

2 現に工場又は事業所にその施設を設置している者(工事中のものも含む。)は当該施設が特定施設となつた日から30日以内に前項各号に掲げる事項を町長に届け出なければならない。

3 前項第2項により届け出した者は、その届け出に係る第1項第3号から第6号まで掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を町長に届け出なければならない。

4 第1項又は第2項の規定により届け出した者が第1項第1号又は第2号に掲げる事項に変更があつたときは、その日から30日以内にその旨を町長に届け出なければならない。

(実施の制限)

第14条 前条第1項または第3項の規定により届け出が受理された日から30日を経過した後でなければその届け出にかかる特定施設を設置しまたは変更してはならない。

2 前項の場合において町長は届け出の内容が相当であると認めたときは実施制限の期間の短縮をすることができる。

(承継)

第15条 第13条第1項または第2項により届け出した者から当該特定施設を譲り受けもしくは借り受けまたは相続もしくは合併により取得した者は、前所有者の地位を承継する。

2 前項の規定により地位を承継した者はその日から30日以内にその旨を町長に届け出なければならない。

(廃止届)

第16条 第13条第1項および第2項の規定による届け出をした者が当該特定施設の使用を廃止したときはその日から30日以内にその旨を町長に届け出なければならない。

(改善勧告)

第17条 町長は特定施設から発生し排出しまたは飛散するばい煙等が規制基準に適合しないと認めるとき又は適合しないおそれがあると認めるときは当該ばい煙等を排出し、または飛散させる者に対し期限を定めて特定施設の構造もしくは使用の方法または、ばい煙等の処理方法などを改善すべきことを勧告することができる。

(改善命令)

第18条 町長は前条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて特定施設の構造もしくは使用の方法または、ばい煙等の処理方法など改善すべきことを命ずることができる。

2 前項の規定により命令を受けた者は、当該命令に基づく改善を行つたときは、すみやかにその旨を町長に届け出なければならない。

(停止命令)

第19条 町長は前条の規定により命令を受けた者が、その命令に従わないときは、その者に対し、特定施設の使用の一時停止を命ずることができる。

2 町長は、第13条第1項から第3項までの規定による届け出をしないで特定施設を使用している者があるときは当該特定施設の使用の一時停止を命ずることができる。

(事故時の措置)

第20条 工場の設置者は故障、破損、その他の事故により、公害を発生させ又は発生させるおそれが生じたときは、ただちにその事故について応急の措置を講ずるとともに町長に通知し、かつ、その事故の復旧に努めなければならない。

2 町長は前項に規定する事故が発生した場合において当該事故に係る工場等の周辺の区域における人の健康、もしくは生活環境がそこなわれる恐れがあると認めるときは当該工場の設置者に対しその事故の拡大又は再発防止のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(産業廃棄物の処理義務)

第21条 工場等を設置する者は、その事業活動にともなつて生じた廃棄物を適正に処理しなければならない。

2 工場等を設置する者は、その事業活動にともなつて生じた廃棄物の再生利用などを行うことによりその減量に努めなければならない。

(畜舎の管理義務)

第22条 畜舎を設置する者は畜舎および附帯施設を整備するとともに常に衛生的な管理を行ない汚水などの処理にあたつては水質の汚濁、悪臭などの公害を発生させないよう適切な措置を講じなければならない。

(汚水の処理)

第23条 汚水を排出する事業所を設置する者はその汚水の排出にあたつては公共下水道以外に放流する場合は、沈でん槽、分り槽等の施設を設け、汚物を分りしてから放流する措置を講じなければならない。

(夜間の静穏保持)

第24条 何人も午後10時から翌日午前6時までの間においては、みだりに附近の静穏を害する行為をしてはならない。

2 バー、喫茶店、その他夜間にわたり営業を営む者は当該営業を営む場所において音響器具、楽器音、人声等による騒音を発生させること等で附近の静穏を害する行為をし、又はさせてはならない。

(屋外作業の制限)

第25条 事業者は屋外作業の性質上やむを得ない場合を除き騒音、振動、粉じん又は悪臭を発生させる作業をしてはならない。

第4章 公害対策審議会

(審議会の設置)

第26条 町の公害対策に関する事項を調査審議するため審議会を置く。

2 審議会は町長の諮問に応じ公害対策に関する重要な事項を調査審議する。

(組織)

第27条 審議会は委員7人をもつて組織する。

2 委員は、学識経験のある者、関係行政機関の長及び職員のうちから町長が委嘱し、又は任命する。

3 委員の任期は2年とする。ただし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。

4 前項の委員は再任させることができる。

(会長及び副会長)

第28条 審議会に会長1人及び副会長1人を置き、委員の互選によつてこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理する。

(会議)

第29条 審議会の会議は会長が招集し、その議長となる。

2 審議会は委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは議長の決するところによる。

(委員でない者の出席)

第30条 審議会において必要があると認めるときは、その会議に専門的事項に関し、学識経験のある者、その他関係人の出席を求め、その意見又は説明をきくことができる。

第5章 雑則

(立入検査等)

第31条 町長は、この条例の執行に必要な限度において職員に工場又は事業場に立入り、特定施設、その他の物件を検査させ又は関係人に対する指示若しくは指導を行わせることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員はその身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(委任規定)

第32条 この条例の施行について必要な事項は規則で定める。

第6章 罰則

(罰則)

第33条 第18条第19条の規定による命令に違反した者は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

2 第13条第1項の規定による届け出をせず、または虚偽の届け出をした者は5万円以下の罰金に処する。

第34条 次の各号の一に該当する者は3万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第2項または第3項の規定による届け出をせず、または虚偽の届け出をした者

(2) 第31条第1項の検査を拒み、妨げ、もしくは忌避した者

(両罰規定)

第35条 法人の代表者または法人もしくは人の代理人使用人その他の従業者がその法人または人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは人に対し前条の罰金刑を科する。

この条例は、公布の日から起算して6ケ月をこえない範囲内において規則で定める日から施行する。ただし、第1章第2章及び第4章の規定は、公布の日から施行する。

(平成15年3月12日条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正前のそれぞれの条例の規定により定められた委員の数については、この条例の施行後初めて委員の任期の満了による新たな委員の任命又は委嘱が行われる日の前日までは、この条例による改正後のそれぞれの条例の規定にかかわらず、なお、従前の例による。

3 この条例の施行の際、現に任期中のそれぞれの委員の任期については、改正前のそれぞれの条例の規定により任命又は委嘱された日から起算するものとする。

七飯町公害防止条例

昭和49年12月25日 条例第29号

(平成15年3月12日施行)

体系情報
第8類 生/第7章 環境保全
沿革情報
昭和49年12月25日 条例第29号
平成15年3月12日 条例第3号