平成29年12月の新刊・新着図書のご案内

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職員のいちおし

『円空を旅する』 井上雄彦 著

 

『SLAM DUNK』や『バカボンド』の著作で知られる井上雄彦が円空の足跡をたどる旅へ出かけた。気になりつつも、実物は見たことがなかった円空仏と対峙し、描いたスケッチを全て紹介している。 道南上ノ国町には、140センチほどの「十一面観音像」があり、少し足を延ばせば出会うことが出来ます。読み進めていくと、著者が一体の円空仏から目が離せなくなり、うっすらと涙を浮かべる写真の訳がわかってきます。 三島由紀夫は、日本文化のありようを「生々しい現役感」と表現したと文中にあるのですが、地域信仰や祈りを基に大切に守られてきた円空仏は、まさにそれに値すると感じた一冊でした。