まぎらわしい奴・・・ 2013.8.1
トラフカミキリ
その瞬間は思いがけず訪れた・・・。
いつか採集してみたいと思っているカミキリムシは多々いるのだけど、プライベートでも、仕事でも(?)採集に出ることができない日々が続いていたある日。当館の近くを歩いていた時に、地面で蠢いている黒と黄色の縞模様を見かける。
「あぁ、スズメバチだな・・・」と思いながら半歩よけてそのフォルムを遠目で見ながら過ぎ去ろうとしている2・3歩の間、頭の中で、些細な違和感を感じた理由を考える。
「トラフだ!!」 すぐに解決した。スズメバチだと思っていた虫の正体は、スズメバチに擬態するトラフカミキリだった。しかも、個人的に未採集。あわてて戻り、再確認する。間違いないトラフカミキリだった。
「まぎらわしい奴だなぁ!」と、ちょっと怒った口調だが、内心は嬉しさいっぱいだった。
それにしても、パッと見ただけで判別できなかったのだから、擬態としての役割は充分すぎるほど果たしているだろう・・・。それぐらい遠目でみると見分けがつかないほどスズメバチみたいだった。
「でも、残念だったねトラフカミキリ君・・・見つけられた相手が悪かったよ。」と、騙されかけたのに、勝ち誇って採集する自分は大人になりきれない子どものようである。皆さんも、スズメバチには注意を! 実はカミキリムシだった・・・ってことになるかもです。