蝶を狙ってヒメに出会う!   2011.9.20

ヒメオオクワガタ

8月に、高校生と一緒に蝶の採集に行った時の話。
目的はアサギマダラという蝶だったのだが、徒歩で山道を彷徨い続けていたら、だんだんと時間が経つにつれ風が強くなり、
はっきりいって蝶は無理だろう!という感じになった。
でも、折角ここまで来たのだからと強行して進むことにする。

空を見ると、まるで早送りの映画のワンシーンのように雲が駆け抜けていく・・・。それはそれで美しい光景なのだが、
蝶にとっては大迷惑!飛んでいるというより流されている様子・・・。それを見て「ムリじゃね!」と高校生。
「そんなのはわかっている」と半切れの私。それでも、時折晴れるのを見計らって高校生はキアゲハなどをサクサクと採集していた。

一休みしていたら、近くにあった標柱に何やら黒い影が動めいているのを発見!何かいる!おそらくクワガタなフォルム…。
近づいてみるとそれはクワガタの♀、それもヒメオオクワガタじゃありませんか・・・。これまで、町内で何頭か採集していたのだが、こんな場所で会う事になるとは…。しかも、樹木ではなく標柱とは…。

早速、周辺を探してみたものの、他にヒメオオの姿は見つけることは出来なかった・・・。なんて偶発的な出会いなんだろう!と感動したが、残念ながら、カメラを持っていなかったため(持っとけよ!って話ですが)、2009年に別の地点で採集したヒメオオの♂の写真を紹介しておきます。

 それにしても、蝶を狙ってクワを捕るとは・・・悪天候だったが、結果的に面白可笑しい一日になった。

<昆虫の情報>

和名:ヒメオオクワガタ
学名:Nipponodorcus montivagus(Lewis)
目科:甲虫目クワガタムシ科
栃木県の日光中禅寺湖周辺や蓴菜沼、七飯で採集された個体が新種記載時に使用されたという七飯町にゆかりのあるクワガタムシ。
6月頃から秋までみられる(あんまり見たことはないが・・・)。標高の高い所を好んで生息するようなので、耐寒性のあるクワガタなのだろう。
明治期に採集された時は七飯町にも沢山いたのだろうか?