七重官園水車場跡(本町)

水車場は明治9年(1877年)3月、開拓使お雇い外国人ホルトの指導で位置を決定し、翌明治10年10月に完成した洋風の二階建て建築物である。

 水車場の開業式は北海道最古の新聞である函館新聞創刊号にも掲載され、当時の様子が伺える。

 夜間上流の溜め池に貯水した水を放流して21馬力の水車を回し、小麦などの製粉を行うもので、二階には穀物細かく砕く臼、一階にはトウモロコシや大麦などを荒く砕く臼を設置。
 さらに野外にも牛馬の骨や魚かすを砕く臼や精米機、雑穀を乾燥させる部屋などもあった。

 水車場は大変な効果を上げ、一時は夜間も就業するほど需要も高まったが、コストの問題からついに明治20年1月に鹿児島県人野村忍助外1名に払い下げられた。

 現在、跡地には北海道森林管理局 七飯森林事務所がある。