山の神(藤城)
七飯町に人が住み始めたころの暮らしは、農業よりも、きこりや炭焼きなどの
山仕事によって支えられていました。このことは、町内で見つかった炭窯跡や古い
文献からも推測できます。「山の神」はこういった山に生業をもつ者の守護神として
祀られるもので、民間信仰のひとつとして普及し、町内にも何箇所かこういった石碑
がみられます。
この碑は、嘉永元年(1848年)に建立され、旧家により今も祀られているものです。
山の神は三つ叉になった木に宿ると信じられ、石碑が建立している林内にも
叉木となったクリとハリギリからなる叉木状の合体木がありましたが、残念ながら、
近年の台風等の被害によって往年の姿を見ることは出来なくなってしまいました。
現在、函館新道を大沼方面に向かう途中、藤城と峠下の境辺りの山側に、この山の神が鎮座する杉林を見ることが出来ます。