○七飯町公用文作成要領

平成21年8月6日

訓令第13号

この要領は、七飯町公文例規程(平成21年七飯町訓令第12号)に定めるもののほか、公文書の作成に関し、必要な事項を定めるものとする。

目次

第1 公用文作成の留意事項

1 文体

2 構成

第2 用字

1 漢字

2 仮名

3 仮名遣い

4 送り仮名の付け方

5 数字の書き方

6 符号の用い方

7 見出し記号の用い方

第3 用語

1 特殊な言葉、難しい言葉、堅苦しい言葉などの用い方

2 同音語の使い方

3 似た意味の言葉等の用い方

第4 起案用紙の使用及び記載方法

1 起案用紙の各欄の記載方法

第5 配字位置等の原則

1 一般原則

2 その他

第6 文書のとじ方等

1 文書のとじ方

2 記載手段

3 記載事項の訂正方法

資料

第1 法令用語

1 「規程」と「規定」

2 「施行」と「適用」

3 「改正する」と「改める」

4 「以上」、「超える」、「以下」、「未満」

5 「以前」、「以後」、「前」、「後」

6 「及び」、「並びに」、「かつ」

7 「又は」、「若しくは」

8 「とき」、「時」、「場合」

9 「者」、「物」、「もの」

10 「当該」

11 「直ちに」、「遅滞なく」、「速やかに」

12 「推定する」、「みなす」

13 「ただし」、「この場合において」

14 「例とする」、「例による」

15 「なお従前の例による」、「なおその効力を有する」

16 「この限りでない」、「・・・することを妨げない」

17 「・・・から・・・まで」

18 「前項の」、「前項の規定による」

19 「前項の場合において」、「前項の規定する場合において」

20 「・・・(に)係る」

21 「しなければならない」、「してはならない」、「することができる」、「するものとする」

22 「その他」、「その他の」

23 「同」

24 「前条」、「次条」

25 「から起算して」、「から」

第2 書簡文等の用語

附則

第1 公用文作成の留意事項

公用文の作成に当たっては、内容を正確に伝え、日常一般に使われる平明な用語により簡潔に表すよう、また、仮名の多用は謹むよう心掛けるものとする。

1 文体

(1) 公用文の文体は、原則として「である」体を用いる。ただし、許可、認可、紹介、回答、証明書等の一般文書又は復命書、事務引継書等の内部関係文書は、「ます」体を用いる。

ア 「だ、だろう、だった」の形は、「である、であろう、であった」の形にする。

イ 「まするが、まするけれども」は、「ますが、ますけれども」とする。「ますれば、くださいませ(―まし)」の表現は用いない。

ウ 打ち消しの「ぬ」は、「ない」の形にする。「ん」は「ません」のほかは用いない。「せねば」は「しなければ」とする。

(2) 文体をできる限り話し言葉に近づけて人々の理解をより得やすくする意味から、口語化して平明な語句を用いるものとする。

ア 口語化の例

これが処理→その処理

せられんことを→されるよう

ごとく・ごとき→のような・のように

進まんとする→進もうとする

「主なる・必要なる・平等なる」などの「なる」は、「な」とする。ただし、「いかなる」は用いてもよい。

イ 「べき」は、「用いるべき手段」、「考えるべき問題」、「論ずべきではない」、「注目すべき現象」のような場合には用いてもよい。

ウ 漢語に続く「せられる、せさせる、せぬ」の形は、「される、させる、しない」とする。「せない、せなければ」を用いないで「しない、しなければ」の形を用いる。

エ 簡単な注記や表などの中では、「あり、なし、同じ」などを用いてもよい。

〔例〕

「配偶者・・・あり」

「虫歯・・・上、下なし」

「住所・・・本籍地に同じ」

(3) 文章が長くなるとその意味が不明確になりがちなので、文章はなるべく区切って短くし、接続詞(そして、また等)や接続助詞(のに、けれども等)などを用いて文章を長くすることを避ける。

(4) 公用文は、その意図することを相手に正確に伝える必要があるので、あいまいな言葉や回りくどい表現を避け、簡潔及び論理的な文章とする。

敬語についても、なるべく簡単な表現とし過剰な敬語を使わないようにする。

ア 時及び場所の起点を示すには、「から」を用いて「より」は用いない。「より」は、比較を示す場合にだけ用いる。

〔例〕

七飯から函館まで

午後1時から始める。

恐怖から開放される。

町長から説明があった。

今日は、昨日より涼しい。

イ 推量だけを表すには「であろう」を用い、「う、よう」を用いない。「う、よう」は意志を表す場合にだけ用いる。ただし、「であろう(でしょう、でありましょう)」は、推定の意味で使う。

〔例〕

役に立つであろう

そのように思われるであろうか〔推量〕

対等の関係に立とうとする

思われようとして〔意志〕

ウ 「ます」

「ませ(ん)、ましょ(う)、まし(た)、ます」の形だけを使う。

〔例〕

困難ではありませんが・・・

困難でありましたので・・・

困難でありますと、・・・

エ 「ぬ」

「ん、ず」の形だけ使う。「ぬ、ね」の形は使わない。

〔例〕

知りません。

知らずに犯した罪

オ 「ない」

使わない。

カ 「だ」

「だ、だろう、だった」の形は使わず、「である、であろう、であった」の形を使う。

キ 「と」

並列の意味で使うときには、なるべく最後の語句のあとにも付ける。

〔例〕

七飯と函館との間

赤と青と黒とを使う。

配付する文書とそれを記録したカードとを渡す。

ク 「の」

主語を示す場合に使ってもよい。

〔例〕

条例の定めるところによる。

ケ 「ば」

「ならば」の「ば」は略さない。

〔例〕

同じ意味ならば協力してください。

コ 「な」

「な」の形だけを使う。「なる」の形は使わない。ただし、「いかなる」は使ってもよい。

〔例〕

必要な措置を採る。

互いに対等な当事者

いかなる場合

(5) 文書には、できるだけ一見して内容の趣旨が分かるように簡潔な標題をつける。また、「通知、」、「回答」のような文書の性質を表す言葉をつける。

(6) 内容に応じ、なるべく箇条書の方法を取り入れ、一読して理解しやすい文書とする。文書が長くなるようなときは、できるだけ箇条書を用い内容が一見して分かるようにする。箇条書の部分を本文から独立させることができるときは、「記」又は「別記」として独立させる方が分かりやすい。

〔例〕

画像

(7) その他

文章の全体を通じて整った表現となるように、他の部分と比べて難しすぎたり、砕けすぎたりする感じを与える言葉を避ける。

2 構成

(1) 文章は、記述しようとする主題を明確にした上、論理的な構成をとるよう心がける。その場合、文章の性質又は文章の長さによっては、結論を先に述べるなどの工夫をする。

(2) 文章は原則として「5W1H」の要素を備えていなければならない。

When いつ (時間)

Where どこで (場所)

Who だれが (主体)

What なにを (客体)

Why なぜ (理由・原因)

How どのように (方法・状態)

第2 用字

用字とは、文章に用いる文字及び符号をいう。公用文には、原則として漢字と符号を用いる。

1 漢字

公用文に用いる漢字は、「常用漢字表」(昭和56年内閣告示第1号)の本表及び付表によるものとし、字体については通用自体を用いる。

なお、人名、地名等の固有名詞は、この原則の対象とならず、専門用語を書き表す場合など特別な漢字使用等を必要とする場合も同様である。また、専門用語等で読みにくいと思われる場合は、振り仮名を用いるなど適切な配慮をする。しかし、この場合にも、乱用しないように注意しなければならない。

(1) 常用漢字表の使用に当たっての留意事項

ア 次のような代名詞は、原則として漢字で書く。

〔例〕

彼 何 僕 私(わたくし) 我々

イ 次のような副詞は、原則として漢字を使って書く。

〔例〕

必ず 少し 既に 直ちに 甚だ 再び 全く 最も 専ら 余り 至って 大いに 恐らく 必ずしも 辛うじて 極めて ことに 更に 少なくとも 絶えず 互いに 例えば 次いで 努めて 常に 初めて 果たして 割に 概して 実に 切に 特に 突然 無論

ただし、次のような副詞は、原則として仮名で書く。

かなり ふと やはり よほど

ウ 次のような連体詞は、原則として漢字を使って書く。

〔例〕

大きな 来る(きたる) 去る 小さな 我が(国)

エ 次の接頭語は、その接頭語が付く語を漢字で書く場合には、原則として漢字で書き、その接頭語が付く語を仮名で書く場合には、原則として仮名で書く。

〔例〕

御(御案内 御調査)

ご(ごあんない、ごあいさつ)

(注) 接尾語の「お」は、常に仮名で書く。

御(お)礼→お礼

オ 次のように接尾語は、原則として仮名で書く。

〔例〕

げ(惜しげもなく) ども(私ども) ぶる(もったいぶる) み(弱み) め(少なめ)

ただし、次の接尾語は、漢字で書く。

等(「とう」と発音する場合に限る。)

カ 次のような接続詞は、原則として仮名で書く。

〔例〕

おって かつ したがって ただし ついては ところが ところで また ゆえに

ただし、次の4語は、原則として漢字で書く。

及び 並びに 又は 若しくは

キ 助動詞及び助詞は、仮名で書く。

〔例〕

ない(現地にはいかない。)

ようだ(それ以外に方法はないようだ。)

ぐらい(20歳ぐらいの人)

ほど(3日ほど経過した。)

だけ(できるだけ努力する。)

ク 次のような語句を、括弧の中で示した例のように用いるときは、原則として、仮名で書く。

〔例〕

こと(許可しないことがある。)

とき(事故のときは連絡する。)

ところ(現在のところ差し支えない。)

もの(正しいものと認める。)

とも(説明するとともに意見を聴く。)

ほか(特別の場合を除くほか)

ゆえ(一部の反対のゆえに事業化できない。)

わけ(賛成するわけにはいかない。)

とおり(次のとおりである。)

ある(その点に問題がある。)

いる(ここに関係者がいる。)

なる(合計すると1万円になる。)

できる(だれでも利用できる。)

・・・てあげる(図書を貸してあげる。)

・・・ていく(負担が増えていく。)

・・・ていただく(報告していただく。)

・・・ておく(通知しておく。)

・・・てください(問題点を話してください。)

・・・てくる(寒くなってくる。)

・・・てしまう(書いてしまう。)

・・・てみる(見てみる。)

ない(欠点がない。)

・・・てよい(連絡してよい。)

・・・かもしれない(間違いかもしれない。)

・・・にすぎない(調査だけにすぎない。)

・・・について(これについて考慮する。)

(注) これらは、助動詞や助詞のように接続的に使われている場合である。

このように補助的に使われるのではなく、特定のものを表す場合には、次のように漢字で書いてもよい。

実行のに適法であった行為

出席する

所持する

家を建てる

町へ行く

通りに面した家

ケ 常用漢字表の付表の語

常用漢字表には、あて字や二以上の漢字による熟語のうち慣用の広く久しいものが、付表にまとめて掲げられている。

付表にある音訓の言葉には、漢字を使って差し支えない。

(2) 動植物の名称

原則として仮名書きにするが、常用漢字表で認めている漢字は使ってもよい。

〔例〕

うさぎ たぬき いちょう 山ゆり 猫 蛍 羊 桜 菊

(3) 常用漢字表にない漢字又は音訓を用いた言葉の取扱い

ア 仮名書きにしても誤解の起こらない言葉は、仮名で書く。

この場合仮名の部分に傍点を付けることはやめる。

〔例〕

恐喝→きょうかつ

昏睡→こんすい

屠殺→とさつ

賭博→とばく

煉瓦→れんが

罠→わな

賄賂→わいろ

煙草→たばこ

以って→もって

此の→この

之→これ

其の→その

為→ため

等→ら

遡る→さかのぼる

佃煮→つくだ煮

艀→はしけ

仮名書きにする際、単語の一部分だけを仮名に改める方法は、できるだけ避ける。

あっ旋→あっせん

と殺→とさつ

ただし、漢字を用いた方が分かりやすい場合は、この限りでない。

宛名→あて名

右舷→右げん

口腔→口くう

沈殿池→ちんでん池

イ 次のものは、常用漢字表に外れた部分をそれぞれ一定の他の漢字に改めて書く。

〔例〕

慰藉料→慰謝料

苑地→園地

吃水→喫水

外廓→外郭

饗応→供応

交叉点→交差点

雇傭→雇用

弘報→広報

撤水管→散水管

車輌→車両

侵蝕→侵食

訊問→尋問

洗滌→洗浄

煽動→扇動

疏明→疎明

破毀→破棄

蕃殖→繁殖

哺育→保育

輔助→補助

緬羊→綿羊

庸人→用人

剰す→余す

ウ 次の言葉は、それぞれ他の一定の言葉に言い換える。

〔例〕

曳舟→ひき船

捺印→押印

陥穽かんせい→落とし穴

涵養→養成、育成

損→損傷

義捐ぎえん→救援、救助

橋梁→橋

牽連けんれん→関連

首魅くびみ→首謀者

塵芥焼却場→ごみ焼場、ごみ焼却場

貼付ちょうふ→張り付ける

填補てんぽ→埋める

狼狽ろうばい→ろうばい、慌てる

鼠族→ねずみ

極秘裡に→極秘のうちに、極秘で

縊路いろ→障害、難関

エ 常用漢字表にない漢字を用いた専門用語等であって、他に言い換える言葉がなく、しかも仮名で書くと理解することができないと認められるようなものについては、その漢字をそのまま用いてこれに振り仮名を付ける。

〔例〕

素  禁 清しき

(4) 人名及び地名に用いる漢字の使用方法

ア 人名及び地名は、差し支えのない限り、常用漢字表の通用自体を用いる。

〔例〕

渡邊→渡辺 齋藤→斎藤

イ 事務用書類においては、差し支えのない限り、人名を仮名書きにしてもよい。

ウ 地名は、差し支えのない限り、仮名書きにしてもよい。地名を仮名書きにするときは、現地の呼び名を基準とする。ただし、地方的ななまりは改める。

〔例〕

七飯→ななえ

渡島半島→おしま半島

エ 人名及び地名を仮名書きにするときは、「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示第1号)を基準とする。

オ 地名を仮名書きにする場合、「ジ」・「ヂ」及び「ズ」・「ヅ」については、区別の根拠が明確なものを除き、「ジ」及び「ズ」を使用する。

2 仮名

仮名は、原則として平仮名を用いる。ただし、次のような場合には、片仮名を用いる。

(1) 外来語並びに外国の地名及び人名

ア 外国の地名、人名及び外来語

〔例〕

イタリア、オバマ、ガラス

ただし、外来語であっても、外来語としての意識が薄くなっているものは、平仮名で書いても差し支えない。

(2) 特に強調する必要のある言葉

〔例〕

ゴミの減量に協力を

3 仮名遣い

仮名遣いは、「現代仮名遣い」の本文及び付表による。

(1) 仮名は、原則として発音どおりに書く。ただし、助詞の「は」、「へ」、「を」は、そのまま「は」、「へ」、「を」と書く。

〔例〕

こんにちは 故郷へ帰る 母への便り 本を読む やむを得ない

(2) 「ぢ」、「づ」は、原則として用いないで、「じ」、「ず」と書く。

〔例〕

みず(水) だいず(大豆) ゆずる(譲る)

ただし、同音の連呼によって生じた場合及び二語の連合によって生じた場合は、「ぢ」、「づ」と書く。

〔例:同音の連呼の場合〕

ちぢむ(縮む) つづく(続く) つづみ(鼓)

〔例:二語の連合の場合〕

はなぢ(鼻血) そこぢから(底力) いれぢえ(入れ知恵) まぢか(間近)

なお、次のような語においては、現代語の意識では一般に二語に分解しにくいものなどとして、それぞれ「じ」、「ず」と書くことを本則とする。

〔例〕

せかいじゅう(世界中) いなずま(稲妻) さかずき(杯) おとずれる(訪れる) ゆうずう(融通)

また、次のような語の中の「じ」「ず」は、漢字の音読みでともに濁っているものだから、「じ」、「ず」と書く。

〔例〕

じめん(地面) ぬのじ(布地) ずが(図画) りゃくず(略図)

(3) 長音は、ア列、イ列、ウ列、エ列の仮名にそれぞれ「あ」、「い」、「う」、「え」を添えて書き表すが、「オ」列の長音は、「う」を添えて書く。

〔例〕

おとうさん とうだい(灯台) わこうど(若人) おうぎ(扇)

ただし、次のような語は、歴史的仮名遣いでオ列の仮名に「ほ」又は「を」が続くものだから、オ列の長音は、「お」を添えて書く。

〔例〕

おおかみ おおやけ(公) いきどおる(憤る) こおる(凍る) とおる(通る) おおい(多い) おおきい(大きい) とおい(遠い)

(4) 動詞の「いう(言う)」は、「いう」と書く。

〔例〕

ものをいう いうまでもない 昔々あったという どういうふうに 人というもの こういうわけ

(5) よう音又は促音を表すには、「や」、「ゆ」、「よ」又は「つ」を用い、なるべく小書する。

〔例〕

おもちゃ しゅんせつ あっせん きょうかつ

(6) 次のような語は、エ列の長音として発音されるか、エイ、ケイなどのように発音されるかにかかわらず、エ列の仮名に「い」を添えて書く。

〔例〕

えいが(映画) とけい(時計) ていねい(丁寧)

4 送り仮名の付け方

送り仮名の付け方は、原則として「送り仮名の付け方」(昭和48年内閣告示第2号)の通則1から通則6までの「本則」及び「例外」、通則7並びに「付表の語」(1のなお書を除く。)による。ただし、複合の語(通則7を適用する語を除く。)のうち、活用のない語で読み間違えるおそれのない語については、通則6の「許容」の例により、送り仮名を省く。

(1) 単語の語

ア 活用のある語

通則1

本則 活用のある語(通則2を適用する語を除く。)は、活用語尾を送る。

〔例〕

 承 書 実 催 生きる 陥れる 考える 助ける 荒 潔 賢 濃 主

例外

(ア) 語尾が「し」で終わる形容詞は、「し」から送る。

〔例〕

しい 惜しい 悔しい 恋しい 珍しい

(イ) 活用語尾の前に「か」、「やか」、「らか」を含む形容動詞は、その音節から送る。

〔例〕

だ 細だ 静だ 穏やかだ 健やかだ 和やかだ 明らかだ 平らかだ 滑らかだ 柔らか

(ウ) 次の語は、次に示すように送る。

む 味う 哀む 悲む 教る おどす おびやす 食う 異る 逆う 捕る 群る 和ぐ 揺る 明い 危い 危い 大い 少い 小い 冷い 平い 新だ 同だ 盛だ 平だ 懇だ 惨だ 哀だ 幸だ 幸だ 巧

許容 次の語は、( )の中に示すように活用語尾の前の音節から送ることができる。

表す(表す) 著す(著す) 現れる(現れる) 行う(行う) 断る(断る) 賜る(賜る)

(注意) 語幹と活用語尾との区別がつかない動詞は、例えば、「着る」、「寝る」、「来る」などのように送る。

通則2

本則 活用語尾以外の部分に他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る(含まれている語を〔 〕の中に示す。)。

〔例〕

(ア) 動詞の活用形又はそれに準ずるものを含むもの。

動かす〔動く〕 照らす〔照る〕 語らう〔語る〕 計らう〔計る〕 向かう〔向く〕 浮かぶ〔浮く〕 生まれる〔生む〕 押さえる〔押す〕 捕らえる〔捕る〕 勇ましい〔勇む〕 輝かしい〔輝く〕 喜ばしい〔喜ぶ〕 晴れやかだ〔晴れる〕 及ぼす〔及ぶ〕 積もる〔積む〕 聞こえる〔聞く〕 頼もしい〔頼む〕 起こる〔起きる〕 落とす〔落ちる〕 暮らす〔暮れる〕 冷やす〔冷える〕 当たる〔当てる〕 終わる〔終える〕 変わる〔変える〕 集まる〔集める〕 定まる〔定める〕 連なる〔連ねる〕 交わる〔交える〕 混ざる・混じる〔混ぜる〕 恐ろしい〔恐れる〕

(イ) 形容詞・形容動詞の語幹を含むもの。

んずる〔重い〕 やぐ〔若い〕 怪しむ〔怪しい〕 悲しむ〔悲しい〕 苦しがる〔苦しい〕 確かめる〔確かだ〕 重たい〔重い〕 憎らしい〔憎い〕 めかしい〔古い〕 細かい〔細かだ〕 柔らかい〔柔らかだ〕 らかだ〔清い〕 らかだ〔高い〕 寂しげだ〔寂しい〕

(ウ) 名詞を含むもの。

ばむ〔汗〕 んずる〔先〕 めく〔春〕 らしい〔男〕 後ろめたい〔後ろ〕

(注意) 次の語は、それぞれ〔 〕の中に示す語を含むものとは考えず、通則1によるものとする。

明るい〔明ける〕 荒い〔荒れる〕 悔しい〔悔いる〕 恋しい〔恋う〕

イ 活用のない語

通則3

本則 名詞(通則4を適用する場合を除く。)は、送り仮名を付けない。

〔例〕

月 鳥 花 山 男 女 彼 何

例外

(ア) 次の語は、最後の音節を送る。

 哀 勢 幾 後 傍 幸 幸 互 便 半 情 斜 独 誉 自 災

(イ) 数を数える「つ」を含む名詞は、その「つ」を送る。

〔例〕

 二 三 幾

通則4

本則 活用のある語から転じた名詞及び活用のある語に「さ」、「み」、「げ」などの接尾語が付いて名詞になったものは、もとの語の送り仮名の付け方によって送る。

〔例〕

(ア) 活用のある語から転じたもの。

 仰 恐 薫 曇 調 届 願 晴 当たり 代わり 向かい 狩 答 問 祭 群 憩 愁 憂 香 極 初 近 遠

(イ) 「さ」、「み」、「げ」などの接尾語が付いたもの。

暑さ 大さ 正さ 確さ 明み 重み 憎み 惜

例外 次の語は、送り仮名を付けない。

うたい おそれ 氷 印 頂 帯 畳 卸 煙 恋 志 次 隣 富 恥 話 光 舞 折 係 かかり 組 こえ 並 巻 割

(注意)

ここに掲げた「組」は、「花の組」、「赤の組」などのように使った場合の「くみ」であり、例えば、「活字の組みがゆるむ。」などとして使う場合の「くみ」を意味するものではない。

「光」、「折」、「係」なども、同様に動詞の意識が残っているような使い方の場合は、この例外に該当しない。したがって、本則を適用して送り仮名を付ける。

(備考) 表に記入したり記号的に用いたりする場合には、次の例に示すように、原則として、( )の中の送り仮名を省く。

〔例〕

晴(れ) 曇(り) 問(い) 答(え) 終(り) 生(まれ)

通則5

本則 副詞・連体詞・接続詞は、最後の音節を送る。

〔例〕

 更 少 既 再 全 最 来 去 及

例外

(ア) 次の語は、次に示すように送る。

るく 大いに 直ちに 並びに 若しくは

(イ) 次のように、他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る(含まれている語を〔 〕の中に示す。)。

〔例〕

併せて〔併せる〕 至って〔至る〕 恐らく〔恐れる〕 従って〔従う〕 絶えず〔絶える〕 例えば〔例える〕 努めて〔努める〕 辛うじて〔辛い〕 少なくとも〔少ない〕 互いに〔互い〕 必ずしも〔必ず〕

(2) 複合の語

通則6

本則 複合の語(通則7を適用する語を除く。)の送り仮名は、その複合の語を書き表す漢字のそれぞれの音訓を用いた単語の送り仮名の付け方による。

〔例〕

(ア) 活用のある語

 流 申 打わせる 向かいわせる 長引 若返 裏切 旅立 聞しい 薄暗 草深 心細 待しい 軽々しい 若々しい 女々しい 気軽 望

(イ) 活用のない語

石橋 竹馬 山津波 後姿 斜左 花便 独言 卸商 水煙 目印 田植 封切 物知 落書 雨上がり 墓参 日当たり 夜明かし 先駆 巣立 手渡 入江 飛火 教子 合わせ鏡 生物 落葉 預かり金 寒空 深情 愚者 行 伸 乗 抜 作 暮らし 売 取 乗 引 歩 申 移わり 長生 早起 苦 大写 粘強さ 有難み 待さ 乳飲子 無理強 立居振 呼電話 次々 常々 近々 深々 休 行

ただし、活用のない語で読み間違えるおそれのない語については、次の例に示すように送り仮名を省く(法令における漢字使用等について(昭和56年10月1日付け内閣法制局総発第141号))。

明渡し 預り金 言渡し 入替え 植付け 魚釣用具 受入れ 受皿 受持ち 受渡し 渦巻 打合せ 打合せ会 打切り 内払 移替え 埋立て 売上げ 売惜しみ 売出し 売場 売払い 売渡し 売行き 縁組 追越し 置場 贈物 帯留 折詰 買上げ 買入れ 買受け 買換え 買占め 買取り 買戻し 買物 書換え 格付 借入れ 借受け 借換え 刈取り 缶切 期限付 切上げ 切替え 切下げ 切捨て 切土 切取り 切離し 靴下留 組合せ 組入れ 組替え 組立て くみ取便所 繰上げ 繰入れ 繰替え 繰越し 繰下げ 繰延べ 繰戻し 差押さえ 差止め 差引き 差戻し 砂糖漬 下請 締切り 条件付 仕分 据置き 据付け 捨場 座込み 栓抜 備置き 備付け 染物 田植 立会い 立入り 立替え 立札 月掛 付添い 月払 積卸し 積替え 積込み 積出し 積立て 積付け 釣合い 釣鐘 釣銭 釣針 手続 届出 取上げ 取扱い 取卸し 取替え 取決め 取崩し 取消し 取壊し 取下げ 取締り 取調べ 取立て 取次ぎ 取付け 取戻し 投売り 抜取り 飲物 乗換え 乗組み 話合い 払込み 払下げ 払出し 払戻し 払渡し 払渡済み 引上げ 引揚げ 引き受け 引越し 日雇 歩留り 船着場 不払 賦払 振出し 前払 巻付け 巻取り 見合せ 見積り 見習 未払 申合せ 申合せ事項 申入れ 申込み 申立て 申出 持家 持込み 持分 元請 戻入れ 催物 盛土 焼付け 雇入れ 雇主 譲受け 譲渡し 呼出し 読替え 割当て 割増し 割戻し

(注意) 「こけら落とし(こけら落し)」、「さび止め」、「洗いざらし」、「打ちひも」のように前文又は後ろの部分を仮名で書く場合は、他の部分については、単語の語の送り仮名の付け方による。

通則7

複合の語のうち、次のような名詞は、慣用に従って、送り仮名を付けない。

〔例〕

(ア) 特定の領域の語で、慣用が固定していると認められるもの

a 地位・身分・役職等の名称

関取 頭取 取締役 事務取扱

b 工芸品の名に用いられた「職」、「染」、「塗」等

《博多》織 《型絵》染 《春慶》塗 《鎌倉》彫 《備前》焼

c その他

書留 気付 切手 消印 小包 振替 切符 踏切 請負 売値 買値 仲買 歩合 両替 割引 組合 手当 倉敷料 作付面積 売上《高》 貸付《金》 借入《金》 繰越《金》 小売《商》 積立《金》 取扱《所》 取扱《注意》 取次《店》 取引《所》 乗換《駅》 乗組《員》 引受《人》 引受《時刻》 引換《券》 《代金》引換 振出《人》 待合《室》 見積《書》 申込《書》

(イ) 一般に、慣用が固定していると認められるもの

奥書 木立 子守 献立 座敷 試合 字引 場合 羽織 葉巻 番組 番付 日付 水引 物置 物語 役割 屋敷 夕立 割合 合図 合間 植木 置物 織物 貸家 敷石 敷地 敷物 立場 建物 並木 巻紙 受付 受取 浮世絵 絵巻物 仕立屋

(注意)

(1) 「《博多》織」、「売上《高》」などのようにして掲げたものは、《 》の中を他の漢字で置き換えた場合にも、この通則を適用する。

(2) 通則7を適用する語は、例として挙げたものだけで尽くしてはいない。したがって、慣用が固定していると認められる限り、類推して同類の語にも及ぼすものである。通則7を適用してよいかどうか判断し難い場合には、通則6を適用する。

なお、「法令における漢字使用等について」では、活用のない語で慣用が固定していると認められる次の例に示すような語については、「送り仮名の付け方」の本文の通則7により、送り仮名を付けないこととされている。

※合図 合服 ※合間 預入金 編上靴 ※植木 (進退)伺 浮袋 ※浮世絵 受入額 受入先 受入年月日 ※請負 ※受付 受付係 ※受取 受取人 受払金 打切補償 埋立区域 埋立事業 埋立地 裏書 ※売上(高) 売掛金 売出発行 売手 売主 ※売値 売渡価格 売渡先 ※絵巻物 襟巻 沖合 ※物置 ※奥書 奥付 押売 押出機 覚書 ※(博多)織 折返線 織元 ※織物 卸売 買上品 買受人 買掛金 外貨建債権 概算払 買手 買主 ※買値 書付 ※書留 過誤払 貸方 貸越金 貸室 貸席 貸倒引当金 貸出金 貸出票 ※貸付(金) 貸主 貸船 貸本 貸間 ※貸家 箇条書 貸渡業 肩書 ※貸付(金) 借受人 借方 借越金 刈取機 借主 仮渡金 缶詰 ※気付 ※切手 ※切符 切替組合員 切替日 くじ引 ※組合 組入金 組立工 ※倉敷料 繰上償還 繰入金 繰入限度額 繰入率 繰替金 ※繰越(金) 繰延資産 ※消印 月賦払 現金払 小売 ※小売(商) 小切手 ※木立 ※小包 ※子守 ※献立 先取特権 ※作付面積 挿絵 差押(命令) ※座敷 指図 差出人 差引勘定 差引簿 刺身 ※試合 仕上機械 仕上工 仕入価格 仕掛花火 仕掛品 敷網 敷居 ※敷石 敷金 ※敷地 敷布 ※敷物 軸受 下請工事 仕出屋 仕立券 仕立物 ※仕立屋 質入証券 支払 支払元受高 ※字引 仕向地 ※事務取扱 事務引継 締切日 所得割 新株買付契約書 据置(期間) (支出)済(額) ※関取 備付品 ※(型絵)染 ただし書 立会演説 立会人 立入検査 ※立場 竜巻 立替金 立替払 建具 建坪 建値 建前 ※建物 棚卸資産 (条件)付(採用) 月掛貯金 付添人 漬物 積卸施設 積出地 ※積立(金) 積荷 詰所 釣堀 ※手当 出入口 出来高払 手付金 手引 手引書 手回品 手持品 燈台守 ※頭取 (欠席)届 留置電報 ※取扱(所) ※取扱(注意) 取入口 取替品 取組 取消処分 (麻薬)取締法 ※取締役 取立金 取立訴訟 ※取次(店) 取付工事 取引 ※取引(所) 取戻請求書 問屋 ※仲買 仲立業 投売品 ※並木 縄張 荷役場 荷受人 荷造機 荷造費 ※(春慶)塗 (休暇)願 乗合船 乗合旅客 ※乗換(駅) ※乗組(員) ※場合 ※羽織 履物 ※葉巻 払込(金) 払下品 払出金 払戻金 払戻証書 払渡金 払渡郵便局 ※番組 ※番付 控室 引当金 ※引受(時刻) ※引受(人) ※引換(券) ※(代金)引換 引継事業 引継調書 引取経費 引取税 引渡(人) ※日付 引込線 瓶詰 ※歩合 封切館 福引(券) 船積貨物 ※踏切 ※振替 振込金 ※振出(人) 不渡手形 分割払 ※(鎌倉)彫 掘抜井戸 前受金 前貸金 巻上機 ※巻紙 巻尺 巻物 ※待合(室) 見返物資 見込額 見込数量 見込納付 水張検査 ※水引 ※見積(書) 見取図 見習工 未払勘定 未払年金 見舞品 名義書換 ※申込(書) 申立人 持込禁止 元売業者 ※物置 ※物語 物干場 ※(備前)焼 ※役割 ※屋敷 雇入契約 雇止手当 ※夕立 譲受人 湯沸器 呼出符号 読替規定 陸揚地 陸揚量 ※両替 ※割合 割当額 割高 ※割引 割増金 割戻金 割安

(備考)

1 売上(高)、(博多)織のようにして掲げたものは、( )の中を他の漢字で置き換えた場合にも、通則7を適用することを示す。

2 ※印を付けた語は、「送り仮名の付け方」の本文の通則7において例示された語であることを示す。

(3) 付表の語

「常用漢字表」の「付表」に掲げてある語のうち、送り仮名の付け方が問題となる次の語は、次のようにする。

ア 次の語は、次に示すように送る。

つく お巡さん 差える 五月晴 立退 手伝 最寄

イ 次の語は、送り仮名を付けない。

息吹 桟橋 時雨 築山 名残 雪崩 吹雪 迷子 行方

なお、送り仮名は、次のように、動詞と名詞等で異なる場合があるから留意すること。

動詞

 

名詞

 

熟語

貸し付ける

――

貸付け

――

貸付金

取り消す

――

取消し

――

取消処分

申し込む

――

申込み

――

申込書

引き継ぐ

――

引継ぎ

――

引継書

埋め立てる

――

埋立て

――

埋立工事

5 数字の書き方

(1) 数字は、次に掲げるような場合を除いて、アラビア数字を用いる。

ア 固有名詞

〔例〕

三角山、三嶋神社

イ 概数を示す語

〔例〕

二・三日、四・五人、数十日、数十人

ウ 単位として用いる場合

〔例〕

150万 1,500億

(百、千は通常用いない。ただし、予算書には、300千円などと用いる。)

エ 慣用的な語

〔例〕

一休み、二言目、二日間続き、三月(「みつき」と読む場合)

(2) 数字は、三けたごとに区切り、区切りには「,」を用いる。ただし、年号、文書番号及び住所地番等には区切りは付けない。

(3) 少数、分数及び帯分数の書き方は、次の例による。

〔例〕

少数 0.123

分数 画像画像、又は2分の1

帯分数 画像画像

(4) 日時、時刻及び時間の書き方は、次の例による。

〔例〕

普通の場合

日付 平成21年7月1日

時刻 午前10時20分

時間 9時間30分

省略する場合

平21.4.1

(5) 数字で年月や期間を示す場合で、期間の月と暦の月が混同されるおそれがあるときは、数字の次に「箇」を加えてもよい。

5箇月…○ 5ヶ月…○

5か月…× 5カ月…×

6 符号の用い方

(1) 句読点は、「。」及び「、」を用い「,」は用いない。

なお、左横書きの文では、読点は「、」の代わりに「,」(コンマ)を使ってもよい。

(2) 「.」(ピリオド)は、単位を表す場合及び省略符号とする場合に用いる。

〔例〕

0.12 U.S.A

(3) 「~」(なみがた)は、「…から…まで」を示す場合に用いる。

〔例〕

七飯~函館

(4) 「―」(ダッシュ)は、語句の説明やいいかえなどに用いる。

また、丁目・番号を省略して書く場合に用いる。

〔例〕

公告―一定の事実を公式に広く一般に知らせるもの

七飯町本町6―1―1

(5) 傍点及び傍線を用いる場合は、傍点は語句の上に、傍線は語句の下に付けて書く。

〔例〕

菜 かん・・詰 能率的に

(6) 繰り返し符号は、必要に応じて、同じ漢字が続くときは「々」を用いることができる。ただし、「民主主義」、「事務所所在地」など続く漢字が異なった意味であるときは用いない。

(7) 「・」(なかてん)は、事物の名称を列挙するとき又は外国語の区切りに用いる。

〔例〕

条例・規則 エジプト・アラブ共和国

7 見出し記号の用い方

文中の項目を細別する場合には、見出し記号を用いるが、左横書きのときは、次のように書く。

なお、原則として「1」から始め、項目が多いときは、「第1」から始める。また、見出し記号の横には、「1.」のように「.」を付けないで、1字空けて初字を書き出す。A、B、C(a、b、c)は、なるべく用いない。(×は空き字を、○○○は文字を示す。)

画像

ただし、次のような場合は、例外とする。

ア 条文形式をとる公用文では、章、節、目、条、項、号という特有の項目の立て方をするので上記によらない。

イ 項目の段階が多い場合には、横書きの記号と縦書きの記号とを交互に使ったりアルファベット又はローマ数字を使ったりしてもよい。

第3 用語

公用文を易しく感じの良いものとするためには、用語は、できるだけ日常一般に使われている用語を用い、専門的用語その他難しい言葉はなるべく用いないようにしなければならない。

1 特殊な言葉、難しい言葉、堅苦しい言葉などの用い方

(1) 特殊な言葉や堅苦しい言葉を用いることをやめて、日常一般に使われている易しい言葉を用いる。

〔例〕

懇請する→お願いする

一環として→一つとして

即応した→かなった

法上の→法律上の

割愛→省略

側方(そばざま)→わき

(2) 使い方の古い言葉を使わず、日常使い慣れている言葉を用いる。

〔例〕

けだし→思うに、あるいは

なかんずく→なかでも、とりわけ

とこしえに→いつまでも、永久に

欲する→望む、願う、求める

彩紋→模様、色模様

(3) 言いにくい言葉を使わず、口調のよい言葉を用いる。

〔例〕

遵守する→守る

しゅん巡→ためらう

阻む→妨げる

(4) 音読する言葉はなるべく避け、耳で聞いて意味の分かる言葉を使う。

〔例〕

橋梁→橋

塵芥→ごみ

けん→まぶた

充填する→埋める、詰める

陳述する→述べる

(5) 音読する言葉で意味の二様にとれるものは、なるべく避ける。

〔例〕

協調する(強調する、と紛れるおそれがある。)→歩調を合わせる

勧奨する(干渉する)→勧める

ちゅう心(中心)→心から

(6) 次のような言葉は、分かりやすい外来語に改める。

〔例〕

ずい道→トンネル

酒精→アルコール

(7) 耳慣れない略語を使わない。

〔例〕

外為→外国為替

納貯→納税貯蓄組合

(8) なじみの薄い外来語をむやみに使わない。

〔例〕

サーキュラー→回覧

シーズ→種子

インフラストラクチュア→社会資本

2 同音語の使い方

(1) 次のものは、一般的に用いられるものだけを残し、一般的でないものは他の表現を考える。

遺棄

委棄(用いない。)

開示

戒示(用いない。)

会議

開議(用いない。例えば、「会議を開く」とする。)

 

看守

監守(用いない。)

不正

不整(用いない。)

(2) 双方とも良く用いられて紛れやすいものは、そのうち一方又は双方を一定の形に言い換えて用いる。

解任

改任→改めて任ずる。交代

 

看護

監護→監督保護

表決

評決→議決

看守

管守→保管

報奨→奨励

報償

干渉

管掌→つかさどる

正規

成規→所定

起因

基因→基づく

 

(3) 次のものは、統一して用いる。

改定

改訂

改定

定年

停年

定年

干渉

関渉

干渉

主管者

主幹者

主管者

関与

干与

干預

関与

作成

作製

作成

配布

配付

配布

状況

情況

状況

破棄

破毀

破棄

規律

起律

規律

侵害

浸害

侵害

表示

標示

表示

経理

計理

経理

提示

呈示

提示、示す

総括

総轄

総括

交代

更代

交代

提出

呈出

提出

和解

和諧

和解

(4) 同音語でも意味の紛れるおそれのないような言葉は、そのまま用いる。

継続

係属

債券

債権

傷害

障害

広告

抗告

3 似た意味の言葉等の用い方

(1) 次の言葉は、統一して用いる。

交代

更代

交迭

交代

趣意

旨趣

趣旨

趣旨

左の

次の

次の

 

 

(2) 「附」は、常用漢字表にはあるが、一般的には「付」をもって書き替えるのが原則である。ただし、「附則」、「附属」、「寄附」、「附せん」、「附帯」及び「附置」の6語のみは、「附」を用いる。

(3) 漢語をいくつもつないでできている長い言葉の用い方

〔例〕

選挙管理委員会→選管

(4) 同じ内容のものを違った言葉で言い表すことのないように統一する。

〔例〕

提起・起訴・提訴

口頭弁論・対審・公判

第4 起案用紙の使用及び記載方法

1 起案用紙各欄の記載方法

起案用紙各欄の記載方法は、次のとおりとする。

画像

① 「決裁区分」欄

七飯町事務決裁規程(平成21年訓令第11号)に定める専決区分により決裁権者(以下「決裁者」という。)を「■」で表示する。

② 「起案者」欄

起案者の所属、職名(主事、技師、主事補、技師補、保健師、保育士、社会福祉士、介護支援専門員、運転手、用務員などの補職名)及び氏名を記載し、「印」欄に起案者個人印を押印する。

③ 「起案の年月日」欄は、起案者が起案文書を作成し、七飯町公文書管理規程(平成21年七飯町訓令第9号。以下「公文書管理規程」という。)第24条の規定により決裁を受けるため回議する日を記載する。

④ 「決裁の年月日」欄は、公文書管理規程第30条の規定により、起案者が記載する。

⑤ 「発信の年月日」欄は、事案の決裁を終え、公文書管理規程第5章の規定により施行の一連の手続を行い、公文書を発送する日を記載する。

⑥ 「文書番号」欄は、公文書管理規程第11条(公文書の記号及び番号)の規定により、第1項第2号の行政処分書及び同項第3号の一般文書について文書番号を記載する。

⑦ 「処理期限」欄は、七飯町行政手続条例(平成9年条例第29号)第6条(標準処理期間)の規定により標準処理期間が定められているものについては、その処理期間の末日を記載する。

⑧ 「合議」欄は、公文書管理規程第25条(起案文書の合議)の規定により、事案に係る関係係長及び主査の課内合議、関係課及び関係他の部局の局長、課長及び参事の合議が必要な場合に、それぞれの合議先(職名)を記載する。

⑨ 「文書取扱主任確認印」欄は、起案者が回議に付す前に公文書管理規程第27条(起案文書の審査)の規定により、文書取扱主任に対し、起案文書の審査を終えた確認として押印を求める。

⑩ 「公印使用承認印」欄は、施行する公文書に公印の押印が必要な場合に、公文書管理規程第35条(公印及び契印の押印)の規定により、使用する公印の種類により公印管理者に対し、公印使用の承認として押印を求める。

なお、押印を省略する場合には、同欄に「押印省略」と記載する。

⑪ 「保存年限」欄は、公文書管理規則第7条(保存期間)の規定により、保存年限を「■」で表示する。

なお、同条第2項の規定により、保存年限を別に定めた場合には、その旨を「その他」の( )内に記載する。

⑫「文書管理コード」欄は、公文書管理規程第23条(立案)第2項の規定により、別表第2に定める文書管理コードを記載する。

文書管理コード(10桁)

課及び係

保存年限

公文書の種類

6桁

2桁

2桁

⑬ 「情報公開」欄は、七飯町情報公開条例(平成12年条例第40号)第6条及び第7条の規定により、当該公文書の「開示」、「部分開示」、「非開示」を区分し、「■」で表示する。

なお、非開示とする場合には、非開示の理由として同条第6条の何号に該当し非開示とするかを記載する。

⑭ 「個人情報」欄は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法第57号)第78条及び第79条の規定により、当該公文書の「開示」、「部分開示」、「不開示」を区分し、「■」で表示する。

なお、不開示とする場合には、非開示の理由として同法第78条第1項の何号に該当し不開示とするかを記載する。

⑮ 「あて先」欄は、施行する公文書を発送する場合に、その宛先を記載する。

なお、宛先が多数になるときは、「○○○○ほか○人」と記載し、宛先の一覧表を添付する。

⑯ 「発信者」欄は、公文書管理規程第12条(公文書の施行者名)第2項の規定により、施行する一般文書を発送する場合に、その発信者名を「■」で表示する。

⑰ 「件名」欄は、目的及び内容がすぐに分かるように、要領よく簡潔に記載する。

なお、一般文書の内部文書のうち、伺い文書については「○○○○(伺い)」、往復文書については、「○○○○(照会)、○○○○(回答)、○○○○(通知)」などと文書の性質を表す言葉を括弧書で記載する。

「⑱」欄は、公文書管理規程第21条(文書による事案の決定)の規定により、決裁を受けようとする理由又は当該事務の処理に関する説明、関係法令その他参考となる事項の付記、関係書類の添付等によりその根拠、理由、経過等を記載する。

なお、表面に書ききれないときは、裏面を使用する。

第5 配字位置等の原則

1 一般原則

(1) 文の最初の行及び新たに起こした行の初めの1字分は、空白とする。ただし、表彰文及び証明文の一部(証書)については、空白としない。

(2) 賞状等のように句読点を用いない文については、句読点を使うべき箇所を1字分空白とする。

(3) 文の項目を細別する記号の次には、読点やピリオドを打たず、1字分空白とする。

(4) 「なお」、「おって」、「また」等を使って完結した前の文に対する独立した形の補足説明等をする文を続けるときは、行を換える。

(5) 「ただし」、「この」、「その」等を使って文を続けるときは、行を換えずに前の文に続ける。

2 その他

七飯町公文例規程の別記で定めた公用文の形で、特に配字位置について指定のないものについては、公文書作成に用いる用紙の大きさ及び字の大きさとの均衡を考慮して、出来上がった公文書の体裁がよくなるよう適当な位置におさめる。

(注) 句読点については、1字分のスペースを配するのが原則であるが、完結する文の最終字が行の最後の位置を占めるときの句読点は、次の行の最初の位置に配しないで当該完結する文の最終字の後に配する。

〔例〕

画像

第6 文書のとじ方等

1 文書のとじ方

原則として、左側をとじる。縦書きの文書だけをとじる場合には、右側をとじる。

(注) 横書きの文書と縦書きの文書とを1つにとじる場合には、左側に余白がある縦書きの文書は左側をとじ、左側に余白がない縦書きの文書は、裏返してとじる。添付する図表などでA4版の用紙を使って作成したものは、短辺をとじる。

2 記載手段

記載手段は、原則として、黒色、赤色若しくは青色のインクを使用するペン又はボールペンによる。ただし、パーソナルコンピュータ、プリンターなどの電子磁気記録装置を使用することを妨げない。

3 記載事項の訂正方法

(1) 誤記の訂正

誤記の部分を2本の線で消して訂正印を押し、その上側又は右側に正しい記載をする。

〔例〕

画像

(2) 脱字の加入

脱字の行の上側又は右側に記入して、くくり符号を使って抜け落ちた部分に加入し、訂正印を押す。

〔例〕

画像

(3) 契約書や重要な対外文書などの訂正

(1)や(2)のほか、更に左又は上の余白に「○字訂正」、「○字削除」又は「○字加入」と記載し、そこにも印を押す。なお、(1)、(2)、(3)において訂正印は、起案文書の場合には起案者又は事務担当者の印、施行文書の場合には、その文書に使用した公印でなければならない。

〔例〕

画像

資料

第1 法令用語

1 「規程」と「規定」

(1) 「規程」は、一法令の総体を指す場合に用いる。

〔例〕

「七飯町文書管理規程」

(2) 「規定」は、法令の中における個々の条項を示す場合及び「定め」の意味で用いる。

〔例〕

「○○条例第○条の規定○○」

「○○規定を設けることができる。」

2 「施行」と「適用」

(1) 「施行」とは、法令の規定の効力が一般的、現実的に発動し、作用するようになることをいう。

(2) 「適用」とは、「施行」が法令の規定の効力の発動という一般的観念であるのに対して、法令の規定が、個別的又は具体的に特定の人、特定の地域及び特定の事項について、現実に発動し、作用することをいう。

3 「改正する」と「改める」

(1) 「改正する」は、改正すべき法令の全体を指示して表現する場合に用いる。

〔例〕

「○○条例の一部を次のように改正する。」

(2) 「改める」は、改正すべき法令の個々の規定を指示して表現する場合に用いる。

〔例〕

「第○条を次のように改める。」

4 「以上」、「超える」、「以下」、「未満」

(1) 「以上」は、基準となる一定の数量を含んでそれより多い数量を表す。

(2) 「超える」は、基準となる一定の数量を含まないでそれより多い数量を表す。「超えない」は、「以下」と同じ。

(3) 「以下」は、基準となる一定の数量を含んでそれより少ない数量を表す。

(4) 「未満」は、基準となる一定の数量を含まないでそれより少ない数量を表す。

5 「以前」、「以後」、「前」、「後」

(1) 「以前」及び「以後」は、基準点を含んでそれより前又は後の時間的範囲を表す。

(2) 「前」及び「後」は、基準点を含まないでそれより前又は後の時間的範囲を表す。

6 「及び」、「並びに」、「かつ」

3つとも2つ以上の文言をつなぐ併合的接続詞であるが、用法は、次のように分けられる。

(1) 1つの語句と別の1つの語句の2つを結びつけたり、同時に採りあげたりする場合は、常に「及び」を用いる。

〔例〕

北海道及び町

(2) 接続詞の段階が2段階以上の場合、一番小さい接続だけに「及び」を用い、それ以外の接続にはすべて「並びに」を用いる。

〔例〕

北海道及び町並びに社団法人及び財団法人

北海道及び町並びに国並びに財団法人

(3) 単純並列的併合接続が多くなる場合は、最後の接続だけに「及び」を用い、それより前の接続はすべて読点を用いてつなぐ。

〔例〕

国、北海道、市及び町

(4) 「かつ」は、「及び」、「並びに」と類似した意味で用いられ、特に決まった用法はない。ただ、連結される語が互いに密接不可分で、両方の語を一体として用いることにより意味が完全に表せるような場合に用いる。

〔例〕

総合的かつ計画的な行政の運営

7 「又は」、「若しくは」

「又は」及び「若しくは」は、ある語句とある語句のうち、どちらか一方を採りあげることを表す場合に用い、その用法は、次のとおりである。

(1) 2つの語句のうち、どちらか一方であることを表す場合は、常に「又は」を用いる。

〔例〕

国又は北海道

(2) 接続の段階が2段階以上の場合、一番大きい接続だけに「又は」を用い、それ以外の接続にはすべて「若しくは」を用いる。

〔例〕

北海道若しくは町又は財団法人

(3) それぞれ同格の3つ以上の語句の中からその1つを選ぶ場合、一番最後に掲げる語句の前にだけ「又は」を用い、ほかは読点を用いる。

8 「とき」、「時」、「場合」

(1) 「とき」は、かならずしも「時点」という限定した意味ではなく、広く「場合」という語と同じような意味に用いる。

(2) 「場合」は、仮定的条件を示すときに、又は既に規定されたある事項を引用する包括的条件を示すときに、その趣旨を表す語として用いる。

(3) 「とき」と「場合」の両者を用いるときの使い分けは、最初の大きな条件のときには「場合」を、次の小さな条件のときには「とき」を用いる。

(4) 「時」は、時の経過の中にある一点をとらえて、時期、時刻というような限定した時点を示す用語として用いる。

9 「者」、「物」、「もの」

(1) 「者」は、法令上の人格を持つ対象の単数及び複数の、自然人及び法人を含む。

(2) 「物」は、上記(1)を除いた有機物を総称する。

(3) 「もの」は、「者」、「物」で表現できない抽象的なもの又は人格のない社団、財団等を表現する場合及び者、物を更に限定して表現する場合に用いる。

10 「当該」

「当該」の語は、基本的には「その」という連体詞と異なるところはないが、法令において用いる場合、次のような意味を持つ語として用いる。

(1) 「その」、「問題となっている当の」という意味に用いる。

(2) 「そこで問題となっている場合のそれぞれの」という意味に用いる。

(3) 「当該各号」の表現のように「該当するそれぞれの号」といった意味を表すために用いる。

(4) 「当該職員」のように「当該」と「職員」ではなく、1つの特殊な法令用語として職制上又は特別の委任により一定の行政上の権限を与えられている国又は地方公共団体の職員を意味するものとして用いる。

11 「直ちに」、「遅滞なく」、「速やかに」

3つとも時間的即時性を表す言葉であるが、次のように若干のニュアンスの違いがある。

(1) 「直ちに」は、3つの中では一番時間的即効性が強く、何をおいても、すぐに行わなければならないという趣旨を表す場合に用いる。

(2) 「遅滞なく」は、時間的即効性は強く要求されるが、その場合でも正当な、又は合理的理由がない限り直ちに行わなければならないという意味を表す場合に用いる。

(3) 「速やかに」も、もちろんできるだけ速くという意味を表すが、訓示的な意味に用いられ、これに違反し、義務を怠った場合でも前2つのように違法という問題が生じない場合に用いられることが多い。

12 「推定する」、「みなす」

(1) 「推定する」とは、ある事柄について、当事者間に取決めがない場合に、法令が一応、一定の事実状態にあるものとして判断し、そのように取扱うことをいう。

(2) 「みなす」とは、ある事物と性質を異にする他の事物について、一定の法律関係において、その事物と同一視して、その事物について生ずる法律効果をその他の事物について生じさせることをいう。

13 「ただし」、「この場合において」

「ただし」、「この場合において」は、文章と文章とを結ぶ場合に用いられ、次のように用い方が違う。

(1) 「ただし」は、通常主文章である前の文章の内容に対して、その例外を定めたり、その内容を制限する場合に用いる。ただし、まれにではあるが、単に前の文章を受けてその内容を説明的に付け加える場合に用いられることもある。

(2) 「この場合において」は、「ただし」とは反対に、主文章である前の文章の内容をそのまま受けて、その場合の中で特定の内容を表現するときに用いる。

14 「例とする」、「例による」

(1) 「例とする」は、通常の場合はそこに定められたようにすべきであるが、合理的な理由がある場合等場合によっては、そこに定められたようにされなくても法令上の義務違反となるものではないことを表す語として用いる。

(2) 「例による」は、ある事項について、他の法令の下における制度又は手続を包括的に当てはめて適用することを表現する語として用いる。

15 「なお従前の例による」、「なお効力を有する」

2つの用語は、どちらも、法令の改正又は廃止制定の場合に、附則で、新旧法令の適用関係について経過措置を規定する際に使われる慣用句である。意味は、2つとも大体同じような意味で、要するに、新法令の規定によらず、旧法令の規定を適用するということだが、その法律効果は次のように若干異なる。

(1) 「なお効力を有する」の場合、その根拠は、なお効力を有するとされた旧規定そのものであるのに対し、「なお従前の例による」の場合は、旧規定を失効していて、「なお従前の例による」という規定のみが適用の根拠となるように、旧法令を適用する根拠を異にする。

(2) 「なお効力を有する」の場合は、なお効力を有するとされるのはその旧規定だけであって、旧規定に基づく施行命令等についてはそれに関する経過措置を別に定める必要があるのに対し、「なお従前の例による」の場合は、施行命令等を含めて包括的に従前の例によるのであって、施行命令等に関する経過措置を別に定める必要はない。

(3) 「なお従前の例による」の場合は、新法令の施行直前の旧制度をそのまま凍結して適用するものであるから、この凍結状態を解除することなしに、旧制度の一部分である施行命令等を後で改正することは不可能であるが、「なお効力を有する」の場合は、効力を有する旧規定に基づき施行命令等を後で改正することは可能である。

16 「この限りでない」、「・・・することを妨げない」

(1) 「この限りでない」は、前に出ている規定の全部又は一部の適用をある特定の場合に打ち消したり、除外する場合に用いる。ただし書の文書の終りに用いられることが多い。

(2) 「・・・することを妨げない」は、一定の事項について、ある法令の規定なり制度なりが適用されるかどうか疑問である場合に、その適用が排除されるものではないという趣旨を表すときに用いられる。

17 「・・・から・・・まで」

「・・・から・・・まで」は、次のような場合に用いる。

(1) 連続した3つ以上の事項をその連結した形において引用する場合、途中の事項を一々列挙する煩わしさを避けるために用いる。ただし、「第○条から前条まで」のように、その直前に先行する条の一部を指示するような場合は、4条以上のときとする。

(2) 期間の起算点及び終期を示す場合のほか、区間の起点及び終点等を示す場合に用いる。

18 「前項の」、「前項の規定による」

「前項の」及び「前項の規定による」は、共に当該直前の規定を根拠規定として、当該前項において特定の意味内容を持つ語句又は事項を、その特定の意味内容のまま用いる場合に用いる。この場合、当該語句又は事項が名詞形のときは、「前項の」で受け、「動詞のときは、「前項の規定による」で受ける。

19 「前項の場合において」、「前項に規定する場合において」

(1) 「前項の場合において」は、項を改めて前項で規定された事項の補足的事項を定める場合に用いる。項を改めて規定するほどのことがない場合には、当該前項の後段として、「この場合において」の語を用いて書く。

(2) 「前項に規定する場合において」は、当該前項に仮定的条件を示す「・・・の場合において(は)」、「・・・の場合において、・・・のときは」又は「・・・のときは」という部分がある場合に、この部分を受けて「その場合」という意味を表そうとするときに用いる。

20 「・・・(に)係る」

ある語句と他の語句とのつながりを示す場合に、関係代名詞的な用語として用いられ、用いられるケースに応じて「・・・に関係がある」、「・・・についての」、「・・・に属する」、「・・・の」等の意味を表す。

21 「しなければならない」、「してはならない」、「することができる」、「するものとする」

(1) 「しなければならない」は、ある者に対して一定の行為をなすべき義務(作為義務)を課することを定める場合に用いるのに対し、「してはならない」は、一定の行為をしない義務(不作為義務)を課することを定める場合に用いる。

(2) 「することができる」は、ある者に対して一定の権利、利益、地位、能力、権限等を与えることを定めようとする場合に用いる。

(3) 「するものとする」は、「しなければならない」がある一定の義務付けを意味するのに対して、通常はそれより若干弱いニュアンスの義務付けを表し、一般的な原則あるいは方針を示す規定の述語として用いられる。この用例は、行政機関等に一定の拘束を与える場合の規定として多く用いられる。

22 「その他」、「その他の」

(1) 「その他」は、特記された事項以外の事項が併列的に多数予想される場合に用いる。

〔例〕

「地上権、地役権、鉱業権その他これらに準ずる権利」

(2) 「その他の」は、前置きされる名詞又は名詞句が後置される言葉の中に包含され、その一部をなす場合に用いる。

〔例〕

「俸給その他の給与」

23 「同」

「同」は、同条、同項、同号等のようにある法文中で最も近い前の場所に表示された条、項、号等の字句を受けて、厳密に同一の対象であることを示す場合に用いられる。したがって、中間に異なる条、項、号等が挿入されている場合には、それより前に表示された条、項、号等を「同」で受けることができない。

24 「前条」、「次条」

(1) 「前条」は、ある条において、その直前に先行する条のすべてを指示する場合に用いる。ある条において、その直前に先行する条のすべてを指示する場合には、指示する条が4条以上のときは「前各条」とし、指示する条の数が3以下のときは、それぞれ「前3条」、「前2条」又は「前条」とする。

(2) 「次条」は、ある条において、その直後にある条を指示する場合に用いる。ただし、「前3条」、「前2条」又は「前各条」に対応する「次3条」、「次2条」又は「次各条」の表現はない。

25 「から起算して」、「から」

「から」は、時の時点を示す場合に用いられるが、期間を定めるのに日、月又は年をもってしたときに起算点に「から」が用いられたときは、通常初日不算入となる。これに対して、初日算入であることを明確にする必要があるときは、「から起算して」を用いる。

第2 書簡文等の用語

書簡文、あいさつ文等に用いる時候のあいさつは、次の例を参考とする。

1月 初春、新春、年頭、余寒、春寒の候、寒さ堪え難い、近年にない寒さ、厳寒のみぎり、大寒の候

2月 晩冬、残雪、残雪の候、残寒厳しいおりから春雪もはかなく、雪解けの水もようやくぬるみ

3月 早春、浅春、軽暖、盛春、春暖の候、春寒やや緩み、桃の三月、風まだ寒く、山野の春光、春とはまだ名ばかりの寒さ

4月 春暖、陽春、春和、仲春、春風麗和の候、慕春の候、若草もえる季節、春光あまねく、行く春を惜しみ

5月 慕春、残雪、惜春、晩春、初夏の候、向暑の候、春色ようやくなえて、吹く風も春めいて、新緑若葉に映えて、新緑の候

6月 初夏、薄暑、梅雨の候、向暑のみぎり、暑気にわかに加わり、初ぜみの声聞くころ、ようやく農繁の節となり、連日の降雨

7月 盛夏、炎暑、酷暑、暑さ厳しく、炎威しのぎ難く、大暑(酷暑、盛暑)の候、夕風の涼味うれしく、夏祭りのにぎわいのころ

8月 残暑、晩夏、早涼、残暑の節、朝夕涼味を覚え、立秋とは名のみ、青草を蒸すような強い日ざし、残暑かえって厳しく

9月 初秋、新秋、涼の秋、新涼、新秋の候、秋気ようやく催し、一雨ごとに涼しく、虫の音も涼しく、秋の夜長く、新涼の候

10月 仲秋、秋涼、秋長、秋涼の候、快の涼風のころ、灯火親しむの候、秋晴の候、スポーツの秋、読書の季節、紅葉もそろそろ見ごろ

11月 晩秋、慕秋、深冷、季秋、向寒のみぎり、霜寒の候、慕秋の候、落葉の候、夕風肌寒く身にしむ、取り入れの秋

12月 初冬、寒冷、歳末寒冷の候、年内余日なく、年末ご多忙の折から、荒涼たる冬となり、クリスマスが近づき、大寒の候、厳寒の候

この訓令は、平成21年9月1日から施行する。

(平成21年12月24日訓令第30号)

この訓令は、公布の日から施行する。

(平成26年9月29日訓令第6号)

1 この訓令は、平成26年10月1日から施行する。

2 この訓令の施行の際現にこの訓令による改正前の訓令の規定に基づいて作成されている用紙がある場合においては、この訓令による改正後の訓令の規定にかかわらず、当分の間、必要な調整をして使用することを妨げない。

(令和4年6月30日訓令第4号)

1 この訓令は、令和4年7月1日から施行する。

2 この訓令の施行の際現にこの訓令による改正前の訓令の規定に基づいて作成されている用紙がある場合においては、この訓令による改正後の訓令の規定にかかわらず、当分の間、必要な調整をして使用することを妨げない。

(令和5年3月23日訓令第6号)

この訓令は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。

七飯町公用文作成要領

平成21年8月6日 訓令第13号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3類 行政通則/第2章 文書・公印
沿革情報
平成21年8月6日 訓令第13号
平成21年12月24日 訓令第30号
平成26年9月29日 訓令第6号
令和4年6月30日 訓令第4号
令和5年3月23日 訓令第6号