○七飯町まちづくり推進条例

平成19年10月1日

条例第29号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 行政評価制度(第3条~第9条)

第3章 政策意見提出制度(パブリック・コメント制度)(第10条~第18条)

第4章 まちづくり人材バンク登録制度(第19条~第25条)

第5章 活力のあるまちづくり推進事業助成制度(第26条~第31条)

第6章 補則(第32条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、七飯町まちづくり基本条例(平成19年条例第28号。以下「基本条例」という。)に基づく町民主体による「参画・協働・自律」のまちづくりを推進するための必要な制度に関し基本的事項を定め、もって本町の住民自治の促進を図ることを目的とする。

(用語の意味)

第2条 この条例で使われている用語の意味は、基本条例第2条に定めるもののほか、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 行政評価システム 行政活動における計画―実施―評価―改善・見直しの検証サイクルをいう。

(2) 行政評価 事務事業、施策及び政策に関し、成果指標等を用いてその有効性、効率性を評価することをいう。

(3) 事務事業 施策目的を達成するための具体的な手段で、予算を伴う行政活動の基本的な単位をいう。

(4) 施策 政策を達成するための個々の方策をいい、事務事業を目的ごとにまとめたものをいう。

(5) 政策 町がめざすべき方向や目的を示すものであり、町の総合計画における基本構想に相当するもので、施策を目的ごとにまとめたものをいう。

(6) 政策意見提出制度 町の基本的な政策等の立案過程において、当該立案に係る政策等の趣旨、目的及び内容等を広く公表し、公表したものに対して町民等から提出された意見、提言、情報及び専門的知識(以下「意見等」という。)を考慮して意思決定を行うとともに、町民等から提出された意見等の概要、提出された意見等に対する町の考え方を公表する一連の手続きをいう。

(7) 町民等 町民及び利害関係人をいう。

(8) 利害関係人 政策意見提出制度に関する事案に利害関係を有する者をいう。

(9) 実施機関 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員及び農業委員会をいう。

第2章 行政評価制度

(制度の趣旨)

第3条 町の事務事業、施策及び政策の評価(以下「行政評価」という。)を行う行政評価システムを確立し、町政への適切な反映を図るとともに、行政評価に関する情報をわかりやすく町民に公表し、効果的かつ効率的な町政の推進並びに透明性の確保と町民に対する説明責任を果たす。

(評価の対象)

第4条 行政評価の対象は、実施機関が行うすべての事務事業、施策及び政策とする。

2 前項に定めるもののほか、新規の事務事業については事前評価を行うものとする。

(事務事業及び施策の評価)

第5条 実施機関の所属長は、その所管する事務事業及び施策(以下「事務事業等」という。)について毎年度1次評価を行うものとする。

2 1次評価の結果について、全庁的な視点から2次評価を行うため事務事業等評価チーム(以下「評価チーム」という。)を設置する。

3 評価チームの組織及び運営に関する事項は、別に規則で定める。

(政策の評価)

第6条 実施機関は、政策について3年ごとに評価を行うものとする。

2 前項の評価は、外部評価により行うものとし、外部評価を行うための政策評価委員会(以下「評価委員会」という。)を設置する。

3 評価委員会の所掌事務は、次のとおりとする。

(1) 政策評価の方策に関すること。

(2) 政策評価の対象の選定に関すること。

(3) 政策評価の審議に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項に関すること。

4 評価委員会の組織及び運営に関する事項は、別に規則で定める。

(評価の実施方法等)

第7条 行政評価の具体的な実施方法等必要な事項は、別に規則で定める。

(評価結果の公表)

第8条 行政評価の結果は、町が発行する広報紙への掲載及び町のホームページを利用した閲覧等の方法等により公表するものとする。

(評価結果の活用)

第9条 行政評価の結果は、総合計画の進行管理、予算編成、政策・施策などの見直し、組織機構の見直し、事務改善など町政のあらゆる分野において活用するものとする。

第3章 政策意見提出制度(パブリック・コメント制度)

(制度の趣旨)

第10条 町の基本的な政策等の立案にあたり、町民が意見を述べる機会を保障することによって、町の意思決定過程における公正の確保と透明性の向上を図り、もって町民の参画と協働によるまちづくりを推進する。

(対象)

第11条 政策意見提出制度の対象となる町の基本的な政策等(以下「政策等」という。)の策定は、次に掲げるものとする。

(1) 基本構想等町の基本的政策を定める計画、個別行政分野において広く町民生活に影響を与える政策の基本方針その他基本的な事項を定める計画で別に規則で定めるものの策定又は改定

(2) 町民に義務を課し、又は権利を制限することを内容とする条例(町税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃に係る案の策定

(3) 町の基本的な制度を定める条例又は町民生活若しくは事業活動に直接かつ重大な影響を与える条例の制定又は改廃に係る案の策定

(4) 広く町民の公共の用に供される施設の建設に係る基本的な計画の策定又は変更

(5) その他制定又は改廃しようとする制度等の趣旨、町民生活への影響等を勘案して、政策意見提出制度の対象とすることが適当であると実施機関が認めるもの

(適用除外)

第12条 前条の規定にかかわらず、次に掲げるものについては、この政策意見提出制度の規定は適用しない。

(1) 迅速若しくは緊急を要するもの又は軽微なもの

(2) 法令その他の規程により縦覧及び意見書の提出その他の政策意見提出制度と同様の手続を行うもの

(3) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第1項の規定による直接請求により議会に提出するもの

(政策等の案の公表)

第13条 実施機関は、政策等の策定をしようとするときは、当該政策等の策定の意思決定前に相当の期間を設けて、政策等の案を公表しなければならない。

2 実施機関は、前項の規定により政策等の案を公表するときは、町民等が理解しやすいよう併せて次の各号に掲げる資料を公表するものとする。

(1) 政策等の案を策定した趣旨、目的及び経緯

(2) 政策等の案を立案する際に整理した実施機関の考え方及び論点

(3) 政策等の案を審議会等の附属機関で審議に付した場合にあっては、当該審議内容を記載した資料

(4) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が必要と認める資料

3 前2項の規定による公表は、実施機関が指定する場所での閲覧及び配布、町が発行する広報紙への掲載及び町のホームページを利用した閲覧の方法等により行うものとする。

4 実施機関は、前項に規定するもののほか、必要に応じ次に掲げる方法により広く町民等への周知を図るよう努めるものとする。

(1) 説明会の開催

(2) 印刷物の配布

(3) 報道機関への発表

(意見等の提出)

第14条 実施機関は、前条の規定により同条第1項の政策等の案及び同条第2項各号に掲げる資料(以下「政策等の案」という。)を公表するときは、併せて意見等の提出先、提出方法及び提出期間その他必要と認める事項を明示して、町民等から当該政策等の案についての意見等を求めるものとする。

2 前項の提出期間は、政策等の案の公表の日から1月以上の期間とする。ただし、1月の期間を設ける暇がないときは、これを短縮することができる。

3 第1項の提出方法は、次に掲げるとおりとする。

(1) 実施機関が指定する場所への書面の提出

(2) 郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便

(3) ファクシミリ

(4) 電子メール

(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が必要と認める方法

4 第1項の規定により政策等の案についての意見等を提出しようとする者は、原則として住所、氏名その他町民等であることを示す事項を明らかにしなければならない。

5 実施機関は、当該政策等の案についての意見等を提出した町民等の氏名、名称その他町民等の属性に関する情報を公表する場合は、当該政策等の案を公表するときにこれを明示しなければならない。

(意思決定に当たっての意見等の考慮)

第15条 実施機関は、前条の規定により提出された意見等を考慮して、政策等の策定の意思決定を行うものとする。

2 実施機関は、当該政策等の策定の意思決定を行ったときは、次に掲げる事項を公表しなければならない。ただし、七飯町情報公開条例(平成12年条例第40号)第6条に規定する非開示情報は除くものとする。

(1) 提出された意見等の概要

(2) 提出された意見に対する実施機関の考え方

(3) 政策等の案を修正した場合における当該修正の内容

3 第13条第3項の規定は、前項の規定による公表の方法について準用する。

(意思決定過程の特例)

第16条 実施機関は、地方自治法第138条の4第3項の規定に基づき設置する審議会その他の附属機関及び実施機関が設置するこれに準ずる機関が、第13条から前条までの規定に準じた手続(以下「この条例に準じた手続」という。)を経て策定した報告、答申等に基づき政策等の策定を行うときは、この条例に規定する政策意見提出制度を適用しないで政策等の策定の意思決定をすることができる。

(構想又は検討段階における政策意見提出制度)

第17条 実施機関は、特に重要な政策等で広く町民等の意見等を反映させる必要があると認めるものについては、当該政策等の構想又は検討の段階で、この条例に準じた手続を経て政策等の案を策定するよう努めるものとする。

(一覧表の作成等)

第18条 町長は、政策意見提出制度を行っている案件の一覧表を作成し、町が発行する広報紙への掲載及び町のホームページを利用した閲覧の方法等によりこれを公表するものとする。

第4章 まちづくり人材バンク登録制度

(制度の趣旨)

第19条 町民の自主的なまちづくり活動を支援するため、様々な分野で活躍する町民の人材情報を登録、公表し、広く人材を活用することによりコミュニティ活動の活性化を図る。

(設置)

第20条 専門的な知識や技能を有する町民を登録しその活用を図るため、七飯町まちづくり人材バンク(以下「人材バンク」という。)を設置する。

(登録資格)

第21条 人材バンクに登録できる者は、次に掲げる要件を満たす者とする。

(1) 町内に在住又は在勤の者で20歳以上の者であること。

(2) まちづくりの推進に意欲と情熱を持ち、自らの知識と経験を町民の自主的なまちづくり活動に活かすことを希望する者であること。

(3) 七飯町職員(常勤職員に限る。)又は七飯町議会議員でないこと。

2 前項の規定にかかわらず、町長が特に必要と認める者は、人材バンクに登録することができるものとする。

(登録分類)

第22条 人材バンクの登録分類は、別表のとおりとする。

(登録及び登録の変更等)

第23条 人材バンクへの登録及び登録の変更等に関する手続は、別に規則で定める。

(登録有効期間)

第24条 登録の有効期間は、登録した日から3年を経過した日の属する年度末までとする。

(人材情報の活用)

第25条 町長は、人材バンクの登録リストを作成し、町が発行する広報紙への掲載及び町のホームページを利用した閲覧の方法等によりこれを公表するものとする。

2 町長は、町民の自主的なまちづくり活動に人材バンクが活用されるよう必要な助言を行うとともに、積極的な活用を図るための支援を行うものとする。

3 任命権者は、審議会等の委員の選任にあたっては、人材バンクを積極的に活用するものとする。

第5章 活力のあるまちづくり推進事業助成制度

(制度の趣旨)

第26条 七飯町活力のあるまちづくり推進基金条例(平成18年条例第39号)により設置された基金を活用し、自ら考え行動し汗を流す町民の主体的まちづくり活動(以下「まちづくり活動」という。)に対して支援のための助成金を交付し、町民と行政との協働による活力のあるまちづくりを推進する。

(助成対象団体)

第27条 助成金の交付の対象となる団体は、次の各号のいずれにも該当する団体とする。

(1) 町内にまちづくり活動の拠点を置き、主に町内で活動を行っている構成員が5人以上の団体

(2) 年齢16歳以上の者で構成されている団体

(助成対象事業)

第28条 この助成金の交付の対象となる事業は、次の各号のいずれかに該当する事業で、かつ、営利を目的としない継続的な活動を通じて地域力の育成に貢献する公益的な事業とする。

(1) 健康・福祉・医療の増進を図る事業

(2) 学術・文化・芸術・スポーツの振興を図る事業

(3) 地域づくりの推進を図る事業

(4) 子どもの健全な育成を図る事業

(5) 観光・レクリエーションの振興を図る事業

(6) 国際交流、地域間交流の推進を図る事業

(7) 前各号に掲げるもののほか、町長が認める公益的な事業

2 前項第1号から第6号までのいずれかに該当する事業であっても、当該事業が次の各号に掲げる事業に該当するときは、助成金交付の対象としない。

(1) 政治又は宗教布教を目的とする事業

(2) 町外で実施する本町に関連性のない事業

(3) 事業の効果が特定の個人又は団体のみに帰属する事業

(4) 当該事業に要する経費が、主として賃金、食糧費等消費的経費で構成される事業

(5) 実施団体の経費負担のない事業(ただし、次条第1項に規定する地域環境整備支援助成金に該当する事業は除く。)

(6) 国、北海道その他団体の助成制度及び本町の他の助成制度の対象となる事業

(7) 前各号に掲げるもののほか、町長が何らかの事由により助成対象事業に該当しないと認める事業

(助成金の種類及び内容等)

第29条 助成金の種類及び内容は次のとおりとし、予算の範囲内で各事業主体に助成金を交付する。

種類

内容

1 初期活動支援助成金

・まちづくり活動として新しく取り組みを始める公益的な事業の支援

(1) 助成金額 助成対象経費の80%以内

(2) 助成限度額 10万円(1年当たり)

(3) 助成期間 1年から3年

2 継続活動支援助成金

・まちづくり活動として継続事業(同一事業について3年)を発展的に拡大して行う公益的な事業の支援

(1) 助成金額 助成対象経費の80%以内

(2) 助成限度額 50万円(1年当たり)

(3) 助成期間 3年

3 イベント活動支援助成金

・まちづくり活動として新たに取り組むイベント事業の支援

(1) 助成金額 助成対象経費の50%以内

(2) 助成限度額 200万円

(3) 助成期間 1年

4 地域環境整備支援助成金

・まちづくり活動として地域の道路、側溝、河川、公共の建物などの環境整備等を行う公益的な事業の支援

(1) 助成金額 助成対象経費の100%以内

(2) 助成限度額 30万円

(3) 助成期間 1年

2 助成金の交付は、原則として1事業につき1回とする。ただし、町長が継続して助成が必要と認めたものについては、この限りでない。

(助成金の交付申請手続等)

第30条 助成金の交付申請手続その他必要な事項は、別に規則で定める。

(まちづくり推進会議)

第31条 助成金の交付を受けるため町民から提出されるまちづくり活動事業計画の内容を審査するため、七飯町まちづくり推進会議(以下「まちづくり推進会議」という。)を設置する。

2 まちづくり推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、別に規則で定める。

第6章 補則

(委任)

第32条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成19年10月1日から施行する。ただし、第26条から第31条までの規定は、平成20年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例施行の際現に七飯町政策意見提出制度(パブリック・コメント制度)実施要綱(平成18年要綱第19号)の規定により政策意見提出制度が実施されている案件については、この条例第3章の政策意見提出制度(パブリック・コメント制度)の規定により実施されている案件とみなす。

3 この条例施行の際現に七飯町まちづくり人材バンク設置要綱(平成19年要綱第5号)の規定により登録された者は、この条例第4章のまちづくり人材バンク登録制度の規定による人材バンクに登録された者とみなす。

4 この条例施行の際現に七飯町活力のあるまちづくり推進事業助成金交付要綱(平成18年要綱第20号)の規定により交付されている助成金は、この条例第5章の活力のあるまちづくり推進事業助成制度の規定により交付された助成金とみなす。

別表(第22条関係)

人材バンク登録分類表

分類

分野

1 人文・社会

1歴史、2地理、3政治、4経済、5法律、6哲学、7思想、8宗教、9心理学、10民族・郷土史、11考古、12その他

2 自然科学

1化学、2天文、3数学、4物理、5地学、6気象、7医学、8薬学、9生物学、10動植物、11その他

3 産業・技術

1情報・通信、2農林水産、3商工、4園芸、5造園、6畜産、7運輸、8交通、9観光、10機械・電子、11土木・建築、12その他

4 教育・学習

1幼児教育、2家庭教育、3青少年教育、4成人教育、5高齢者教育、6生涯学習、7人権教育、8平和教育、9一般教養、10その他

5 芸術・文化

1書道、2絵画、3版画、4写真、5演劇、6舞踊・バレエ、7彫刻・工芸、8音楽、9茶道・華道、10文学、11大衆演芸、12その他

6 スポーツ

1陸上、2体操、3球技、4水上、5雪上、6氷上、7武術・格闘技、8野外活動、9その他

7 家庭・生活

1出産・育児、2介護、3礼儀作法、4衣服・縫製、5料理・栄養、6手芸、7理容・美容、8消費生活、9住居・家具、10防災、11保健衛生、12その他

8 言語

1日本語、2英語、3ドイツ語、4フランス語、5スペイン語、6ポルトガル語、7イタリア語、8ロシア語、9中国語、10その他

9 その他

1環境、2福祉、3国際事情、4イベント、5余暇活動、6時事、7その他

七飯町まちづくり推進条例

平成19年10月1日 条例第29号

(平成20年10月1日施行)

体系情報
第3類 行政通則/第5章 地域振興
沿革情報
平成19年10月1日 条例第29号